往年のSF作品から生まれた宇宙の世界が20世紀末のアメリカ・ソ連のロケット開発を経て、私達に無限のロマンを与えてくれる。近年では民間企業や投資家が火星移住や宇宙旅行などに投資し、宇宙への夢を少しずつ実現しようと動きだしている。2008年には民間初の月面探査を競う国際コンテストを主催するなど、マンガの世界と現実の距離が近づける挑戦が今も続いている。そんな宇宙へのロマンを僕らに与えてくれたマンガを今回10作品紹介したいと思う。
壮大な宇宙を舞台にしたSF作品がマンガでも親しまれ、実際に民間企業が宇宙開発に乗り出す時代。これから少しずつ現実味を帯びてくる「宇宙」の世界を先取りして紹介してくれる、ロマンあふれるマンガ作品を10作品ご紹介!
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往年のSF作品から生まれた宇宙の世界が20世紀末のアメリカ・ソ連のロケット開発を経て、私達に無限のロマンを与えてくれる。近年では民間企業や投資家が火星移住や宇宙旅行などに投資し、宇宙への夢を少しずつ実現しようと動きだしている。2008年には民間初の月面探査を競う国際コンテストを主催するなど、マンガの世界と現実の距離が近づける挑戦が今も続いている。そんな宇宙へのロマンを僕らに与えてくれたマンガを今回10作品紹介したいと思う。
2017年より「アフタヌーンKC」にて連載。以前から読み切りで高い評価を得ていた「森田るい」の初長編作品で、2018年の「マンガ大賞2018」にノミネート・第2位に選出された。舞台は昭和の営みが垣間見える日本の地方の一角。ストーリーは冴えない日々を送るOL「椎ノ木カナエ」がある日、小学校の同級生「中平かずき」と再会し、様々ないきさつを経てロケットの打ち上げを目指すという斬新な展開だが、彼らの取り巻く環境はいかにも地方に必ず居そうなおじさんや町工場で、ロケット開発をする町工場の工員「かずき」やOL「カナエ」も地方に必ず居そうな感じが親しみやすくリアル。そんな彼らが地方のもやもやした慣習や閉塞感を吹き飛ばすようにロケット開発を行う情熱が、物語の展開を重ねるにつれ一緒にアツくなっていく良作だ。全1巻で読みやすく、二人の「凸凹コンビ」感もみていて普通に楽しいのどかな「宇宙開発」マンガだ。
必須 2007年12月より「モーニング」にて連載。2025年を舞台に、かつて宇宙飛行士を夢見たが諦めた主人公「南波六太」と宇宙飛行士の夢を叶えた「六太」の弟「南波日々人」が、様々な出会いと挑戦を通して共に「宇宙」を舞台に活躍するという王道のサクセストーリーマンガ。物語の大筋は宇宙飛行士の夢を諦め、弟にコンプレックスを持つ「六太」が、日本で再び宇宙飛行士になる姿を描き、その過程でNASAの訓練の様子や月探査の技術開発の様子などを様々なキャラクターを通して描いていて、現代の宇宙開発の様子をわかりやすく垣間見る事ができるのがこの作品の大きな魅力のひとつ。話の展開はサクセスストーリー的な特徴があるため展開も早いが、宇宙を目指し続ける「人生」の形も様々に描いている。宇宙開発というテーマにおいては「六太」や「日々人」のような宇宙飛行士だけでなく技術者、天文学者、訓練教官の存在も様々なキャラクターの名言も共に魅力的に紹介する「宇宙開発」の総合エンタ―テインメントマンガだ。
2000年より「スペリオール」にて連載。「吾郎」と「ロストマン」という二人の主人公を軸に、壮大な宇宙開発とそれに関わる国家や人々、国家間の月社会覇権争いなどを丹念に描いている。物語は「吾郎」と「ロストマン」が大学生クライマーとしてエベレスト登頂に挑んだ際、偶然助けたフランス登山隊の女性「白雪姫」が最期に残した言葉とエベレスト頂上で目撃した月とISS(国際宇宙ステーション)により、次なる目標を「宇宙」へ定めて共に目指す所から始まる。宇宙開発に欠かせない宇宙基地や宇宙船・作業機械などは詳細に設定がある。また月基地や宇宙の航路はアメリカ・インド・中国などの国家間で政治的な利権のやりとりが常に存在するなど、SFとして重厚な作品となっている。宇宙戦闘機、SDI構想、核戦争後の地球など、とにかく壮大さにおいては随一の近未来感と連載開始からずっと飽きさせないロマン、謀略、人間愛が交錯する群像劇がこれからも期待の「宇宙開発」マンガだ。
2001年より月刊コミックフラッパーにて連載。民間が宇宙に進出する近未来をを舞台に、宇宙飛行士養成高等専門学校「東京宇宙学校」で「ロケットの運転手さん」を目指す主人公「鴨川あすみ」を始め、様々な目的を胸に宇宙を目指す少年少女達の優しく切ない群像劇。本作には宇宙の描写はほとんどないが、宇宙飛行士の訓練や座学(英語など)、機械工学やロボットアーム操作といった実際の訓練に因んだ内容が作者のやさしい絵を通してコミカルに描かれている。この作品の特徴は、主人公「あすみ」を初めとするクラスメイトや取り巻く大人達が抱える様々な事情や人間関係が丁寧に描かれている所で、そうした彼らが「宇宙」という夢で繋がり、彼らが互いの思いや感情をぶつけ合い、理解し励まして切磋琢磨していく青春期の成長が人其々に胸を打つ。あまり派手な展開はないが、宇宙進出を純粋に夢として求める少年少女と、それを支える大人達というせつないながらも未来を感じさせるマンガ作品だ。
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2001年より月刊コミックフラッパーにて連載。民間が宇宙に進出する近未来をを舞台に、宇宙飛行士養成高等専門学校「東京宇宙学校」で「ロケットの運転手さん」を目指す主人公「鴨川あすみ」を始め、様々な目的を胸に宇宙を目指す少年少女達の優しく切ない群像劇。本作には宇宙の描写はほとんどないが、宇宙飛行士の訓練や座学(英語など)、機械工学やロボットアーム操作といった実際の訓練に因んだ内容が作者のやさしい絵を通してコミカルに描かれている。この作品の特徴は、主人公「あすみ」を初めとするクラスメイトや取り巻く大人達が抱える様々な事情や人間関係が丁寧に描かれている所で、そうした彼らが「宇宙」という夢で繋がり、彼らが互いの思いや感情をぶつけ合い、理解し励まして切磋琢磨していく青春期の成長が人其々に胸を打つ。あまり派手な展開はないが、宇宙進出を純粋に夢として求める少年少女と、それを支える大人達というせつないながらも未来を感じさせるマンガ作品だ。
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作家「小川一水」により2003年に発刊されたSF小説を原作に、2008年にWEBコミック「FlexComixネクスト」から連載されたマンガ作品。レジャー用の深海交通網や海底ドーム型都市が造られるようになった2025年の近未来に、巨大メジャー企業会長「桃園寺閃之助」の命を受け、月へ結婚式場を建設するという前代未聞の「宇宙開発計画」を実行することとなった「御鳥羽総建 機動建設部」の「青峰走也」25歳と桃園寺の孫娘であるお嬢様「妙」の二人が建設のために奔走する姿を描く。月面に基地を建設する所から始まる少し身近な所から始まる近未来SFのストーリーだが、宇宙生活の描写もコミカルにみる事が出来る作品。原作は「第35回星雲賞」の日本長編部門を受賞したハードSFの良作でもあるため、表現は小説とは少し違う部分も多くあるが、展開は「青峰走也」が月面工事の諸問題に奔走ぶりや「妙」との関係など、見どころは満載の「宇宙開発」マンガだ。
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史村翔原作・沖一作画によるマンガ作品。タイトル通り宇宙飛行士が主役の物語で、NASAに所属する宇宙飛行士「カンダ」と「ロッキー」の活躍を中心に宇宙での過酷なミッションを描くアクションマンガ。舞台は宇宙ステーションやNASAの訓練施設など、身近な近未来の設定だが、腕は確かだが女癖の悪い二人組のアウトロー的活躍は少し破天荒気味でかなりタフ。しかしそれらを取り巻く彼らの友情、信頼、絆といった人間関係が物語の主軸となっている。また2003年に起こったスペースシャトル「コロンビア号」の事故のエピソードや女性宇宙飛行士「シャーリー」など、実際の宇宙開発のエピソードを基にした話もある。また宇宙飛行士の生き様といった部分もエピソードの一つとして入っており、未だかって人類が到達したことのない所へ命がけでも挑戦する宇宙飛行士の生き方が彼らを通じて次第にかっこ良く見えてくる良作だ。少し時代を感じる部分も多分にあるが、現実よりも良い意味で熱い「宇宙開発」マンガだ。
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1999年に「週刊少年サンデー」にて連載。下町「がらくた町」主人公はH-IIロケットの打ち上げをきっかけに宇宙飛行士を目指す少年「真上直進」(まがみ まっすぐ)が、親友「青山空知」(あおやま そらち)と共に様々な出会いと挑戦を経て宇宙飛行士の夢を実現するサクセスストーリー。正義感が強く誰にでも好かれる不思議な魅力を持つ主人公「直進」や、賢く心やさしい「空知」、彼らを影ながら見守るヒロイン「緑川風子」、彼らを敵対視する「小坂直也」というキャラクターの構図で物語も進行する王道な感のある作品だが、一方でロケットに関する専門用語も数多く出てくるなど、作者のロケット考証宇宙愛が感じられる様々な意味で熱い作品だ。現在様々な宇宙をテーマにしたマンガがある中、宇宙を夢見る少年が大人になって様々な苦難を乗り越え、宇宙開発の一任者になるという過程を丹念に描き切った「宇宙開発」サクセスストーリーマンガの先駆的作品ともいえる作品だ。
矢立肇・富野由悠季原案。ガンダム専門漫画雑誌「ガンダムエース」にて2001年より連載。作者は言わずと知れたテレビシリーズ『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザインを務めた「安彦良和」によるもの。舞台は西暦が終わり新たに「宇宙世紀」という年号となり79年が経過した人類の新たな戦争「一年戦争」を描いている。「モビルスーツ」の闘い、「アムロ」と「シャア」といった部分が有名だが、舞台設定である地球と地球から離れて移住した人々が住む居住区「スペースコロニー」などはSF作品としてもかなり精緻に作られており、地球外に進出した人々がどのような生活をしていたのか、地球との関係がどのように変化したのかなど、「ロボットアニメ」としての戦争を「宇宙開発の末に起こった悲劇」としてより深くみることができる。本作ではアニメでは語られることのなかったスペースコロニーの構造や営み、地球との対立構図など、テレビアニメファンのみならずSFファンにとっても是非手に取ってほしい作品だ。
1999年より「モーニング」にて連載。宇宙ステーションや月面に多くの人々が移住し、民間の高々度旅客機が行き交う未来が舞台。宇宙のゴミ「スペースデブリ」を回収する作業を行う「デブリ課」の一社員として働く「ハチマキ」は、日常の中に埋もれながら夢と現実の間で悶々とした日々を宇宙で送っていたが、ある日課に新しい新人「田名部 愛」が配属されたことがきっかけとなり、彼の変わらない宇宙の日常が少しずつ変化していく。本作は宇宙開発が国家間から民間へと移り宇宙が「目指す場所」から「働く場所」となった未来を日本的様式でとてもリアルに描き、宇宙での衣食住や職業選択から宇宙で働く人間の人生プラン、人とのつながり方、新たな夢の持ち方とその結末など、主人公「ハチマキ」や様々な人物を通じて、自分の人生と重ねてとても身近に感じながら読むことのできる作品だ。民間企業が挑戦を続ける現代で、人の可能性を足元から描いてくれる「宇宙開発」マンガだ。
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