単行本の巻数が100巻を超えているマンガ10選174 Pt.

長編マンガが増えている中でその到達点の目安とも言える単行本100巻を超えた作品を10選してみたので、その知名度を再確認してみよう!!

単行本の巻数が100巻を超えているマンガ10選

出典:Amazon.co.jp

概要

長編の中の長編と言える単行本100巻を超えた名作を10作品選び、その人気の秘密を深掘りしてみよう!!

『あさりちゃん』

主人公で小学4年生「浜野あさり」を中心に姉で小学6年生のメガネっ子「タタミ」や母親「さんご」やクラスメイトなどを巻き込んで、その日常を描くギャグマンガで堂々の100巻まで刊行され、完結を迎えている。また少女マンガとしても唯一の100巻超え作品であり、作者名は「室山まゆみ」と一人であるが、実は二人組みで制作されている作品でもある。読者層を低学年向けに設定しているので、内容も分かりやすく、クセがなく、裏読みする事なく、素直に心の底から楽しめる話が多い。絵柄も時代に合わせて進化しており、当初の少女マンガ色が強めの絵柄から次第にゆるキャラを思わせる洗練された万人に受け入れられやすいスマートで可愛いキャラに変わっている。基本的に一話完結であるが、長編もあり、ストーリー性も高く、作品の深さや作者の知識量の豊富さにも圧倒される。SFやファンタジーな内容も多く、夢があり、親も子供に安心して読ませる事が出来る。

『鬼平犯科帳』

故人で小説家「池波正太郎」原作の小説をマンガ家「さいとう・たかを」によって劇画マンガに仕上げた作品で現在も連載中。江戸時代後期に江戸市内を取り締まる今の警察組織の一つとなる「火付盗賊改方」に属する主人公「長谷川平蔵」の事件簿を描く物語で、TVドラマで知る人も多いが、マンガでも長編作品となっている。やはりマンガで描かれる江戸の街並みや当時の時代背景を容易に知る事が出来るのは貴重であり、重要でもある。何より人情味あふれる主人公の行動や決断に心揺さぶられる。「罪を憎んで人を憎まず」の言葉が嘘ではなく、誠に意味のある事であると再認識させられる。もちろん、手の施しようがない悪人にはそれ相応の処罰もあり、この見事なまでの裁量には現在の裁判や司法制度も見習うべき点もあると思うのは言い過ぎであろうか……しかし、そこまで重く考える必要もなく、主人公の男前な行動を知るだけでも十分楽しめる。凝り固まった価値観打破にも適する作品と言える。

『あぶさん』

酒好きで酒抜きで生きられない主人公「景浦安武」がプロ野球選手として、当時の南海ホークスから福岡ダイエーホークス、そして福岡ソフトバンクホークスと、ホークス一筋で代打屋として活躍する物語で、当時の実在するプロ野球選手も一緒に登場するリアリティあふれる作品。近年は個人情報保護や肖像権の観点から実在の選手を扱う上での賛否もあったが、これこそがこの作品の面白味であり、醍醐味でもある。また、酒に対する主人公の姿勢・思い入れ・価値観も独特で、おそらくサラリーマンの社会では通用しない事もあるが、自身のポリシーを貫く姿勢には共感や好感を持てる。プロ意識も高く、仕事に対する真摯な対応・行動理念も学ぶべき点は多い。他にも人情味溢れる古き昭和の良さを感じさせる逸話も多く、目頭が熱くなる。正に昭和と平成を渡り歩き、プロ野球史の一部を担っている作品でもあり、この作品から過去のプロ野球の名選手のサイドストーリーを知る事も出来る楽しさがある。

『静かなるドン』

主人公「近藤静也」は、下着メーカーに務める至って平凡な平社員を装っているが、実はヤクザの息子であり、隠れて組長として組を統率しなければならない立場でもあり、そんな二足のわらじを履く環境で生きる主人公を描くギャグ要素も盛り込みながらシリアスな展開も多い長編作品で全108巻で完結。普段はダメサラリーマンがヤクザになると最強にして最高の組長になる、そのギャップが面白く、親近感や共感も持てる。しかし真のダメサラリーマンは主人公の上司である「川西部長」であるが、ある意味、サラリーマンの代表でもあり、悲しい現実がリアルに伝わる。主人公もこの部長が幸せにならず、ヤクザが幅を利かせている社会は、有ってはならないと自戒の念も込めている。多くの人間ドラマが有り、特に主人公の片腕とも言える「鳴戸竜次」の生き様、死に様はちょっと格好良すぎて男が男に惚れるタイプ。そんな人間味溢れるキャラも多数登場し、軸となる主人公がキッチリまとめているのが心強く、人生訓にもなるマンガと言える。

『美味しんぼ』

主人公「山岡士郎」は、やる気のない新聞記者だが食やグルメには精通していて、その食通ぶりを描く物語で父親「海原雄山」との食のバトル展開もあり、グルメマンガの金字塔とも言える作品でもある。単行本は111巻まで刊行され、現在は休載中。原作者「雁屋哲」は、ライフワークであり、グルメネタに尽きる事はないと言い、その言葉通り、幅広いグルメネタは和洋中を問わず、歴史的背景や資本主義や商業主義に対するアンチテーゼや社会問題化も描いていて奥が深い。人間ドラマも豊富で主人公の脇を固める会社の同僚や料理人や財界人までその生き様を描き、各キャラの個性も際立っている。他にも実在する店舗や場所もさりげなく載っていて、知っている人には更に楽しめるリアルさと親近感も味わえる。おそらく主人公のような生き方、生活は普通のサラリーマンには難しいであろうが、何かの一芸に秀でる事で得をする事はあるのだと考えると、サラリーマンにも個性が必要であると教えてくれる良品であるとも言える。

『浮浪雲』

江戸時代後期に生きる主人公「雲」の自由気ままな生き様と剣戟が楽しめる作品で全112巻で完結。飄々として掴み所が無い主人公ながらも人情味あふれる振る舞いや男の色気を醸し出し、誰からも好かれるキャラになっている。年齢は不詳ながらも嫁がいて、一男一女の子供もいる。しかし当時の若年での結婚感を考えると20歳代後半の可能性もあり得る。女性好きであり、それを許している嫁と家族と周囲の人達の心の広さにも驚くが、これは主人公の人柄ゆえに許されているのであろう。読者も何となくそんな主人公を許してしまうのが、この作品を読めば読むほど理解できる。そんな呑気で緩やかな日常の中で、時折、刃傷沙汰が盛り込まれるのがこの作品の面白さであり、適度な緊張と緩和の繰り返しが長編作品としてのリズムを作り上げたと言える。「勝海舟」など実在する人物も登場し、本当に歴史上に「雲」が存在したかの様に描かれるのも心地良い。主人公と同じ様にお猪口で日本酒を嗜みながら読みたい作品。

『はじめの一歩』

主人公「幕之内一歩」がボクシングに出会い、ボクシングにのめり込み、プロボクサーとなり、活躍して行く物語で「週刊少年マガジン」を代表するマンガであり、現在も連載中。リアルさを追求し、ボクシングスタイルやボクシング技術、登場するボクシング会場や施設は実在の場所や理論を忠実に描いている。よって、有りがちな主人公が常に最強ボクサーであるなどと言った図式はなく、長所と短所や得意・不得意が必ずある対戦相手との相性なども考慮されているなど、ボクシングの奥深さと作者の作品への熱意の投下量の多さに感動すら覚える。主人公以外にも同じボクシングジムの「鷹村守」や「板垣学」などのボクサー人生もリアルに描き、作品に厚みが増している。絵柄もキャラの枠線が太くてハッキリしている王道の描き方で安定の力強さが伝わり、ボクシングシーンも迫力満点で他の追随を許さない完成度を誇る。長編故に主人公の悩みも多く複雑さもあるが、見事なまでの大団円に期待している読者も多い。そして、その日も近い事も匂わせている。

『クッキングパパ』

主人公「荒岩一味」は福岡県に住むサラリーマンであるが、プロ級の料理の腕前と知識を持ち、家族や親友や近所の人達と料理を介して人間関係が深まって行くグルメ系日常ドラマ作品であるが、やはり料理がメインであり、単行本にはマンガに登場する料理のレシピも載っている。これは実際に作者「うえやまとち」が試作・試食した物ばかりで、この作品のお陰で作者自身も料理が上達したと言う背景もある。当初は人間ドラマに重きを置き、主人公の子供のいじめ・不登校問題や主人公の不倫疑惑なども盛り込むが、この作品には向かないテーマと考える読者も多く、完全に料理をメインにした朗らかで楽しめる作風になり、現在も零細が続き、100巻を超える長編作品として記録を伸ばしている。また作中では緩やかながらも時の流れがあり、主人公も当初の31歳から今や40歳代半ばで課長に昇進している。グルメマンガも多々あるが、家庭料理に特化している点ではこの作品の右に出る物はなく、自炊派にもお薦めの作品と言える。

『ゴルゴ13』

世界最高峰の狙撃手「ゴルゴ13」こと「デューク東郷」の殺し屋の生きざまを描く物語で現在も継続中、なおかつ掲載誌に休載なしで連載を続けている事でも驚異的な長編作品。殺し屋と言う、およそ主人公に不向きな人物が何度も生死の分かれ目を乗り越えて行く、強さ、賢さ、バイタリティ、哲学が斬新かつ画期的で今もなお色褪せない魅力が満載でこの紙面・文量では語り尽くせない。物語も一話完結や短編で読みやすく、世界情勢や専門知識や意外性やドラマ性が高く、その情報量が豊富で精緻で読者を圧倒する。これはマンガをシナリオ担当・背景担当・人物担当などの分業制にして独特の製作方法を採用しているのも起因している。また主人公の魅力も格別で、今や有名な「自分の背後に立つ者は無条件で殴り倒す」などは、この主人公ならではと言える。当然ながら真似は出来ない。そんな憧れや非日常が味わえるのもこの作品の魅力と言える。日本のマンガ史に確実に残る作品であり、既に最終回の内容は作者の頭の中にあるらしい。読んでみたい気もするが、ずっと続けて欲しい気もする。

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』

主人公はタイトル通り「葛飾区亀有公園前派出所」に勤務する中年警官「両津勘吉」で、この主人公を中心に描かれるドタバタ喜劇で堂々の200巻を刊行して完結している。なお、余談ながら、この派出所は実在しない。当時、警官を主人公にして、犯罪・推理モノではなく、ギャグ作品として描かれた物はなく、他にもマンガの常識を覆らせれ来た作品であり、更に時代に合わせて変化して来た作品でもあり、作品の入れ替わりが激しい「週刊少年ジャンプ」の中で生き抜いて来た稀有の作品でもある。これは主人公の顔や体型の変化で容易に理解できる。また作品もマニアックなネタが多く、そのネタの範囲も幅広く、作者の情報収集能力とその内容をマンガの中で紹介する際の構成力の高さが際立っていて、マンガとしての完成度の高さが見て取れる。そして時折盛り込まれる心温まる人情話や葛飾への愛が溢れる歴史物語も心地良く感銘を受ける。この作品を知らずしてマンガを語るなかれ……と、お節介ながら断言したい。

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