源平合戦を漫画から読み解く!オススメ漫画5選0 Pt.

平安末期の動乱の象徴である源平の争乱。鎌倉幕府の創始者・源頼朝や、悲劇の英雄として名を残した源義経、薙刀(なぎなた)でお馴染みの武蔵坊弁慶など魅力的な人物が多い。今回はさまざまな解釈で描かれる源平合戦を通して、平安ロマンに浸ってみよう。

作成日時:2022-05-26 19:00 執筆者:マンガペディア公式

源平合戦を漫画から読み解く!オススメ漫画5選

出典:集英社


『リョウ』

『リョウ』

出典:集英社

女子高生の記憶を埋め込まれた源義経がタイムスリップし、源平の戦いに巻き込まれてゆく大河ロマン。主人公の女子高生・遠山りょうは修学旅行で訪れた五条大橋で、いきなり僧の格好をした長髪の男に襲われる。幼なじみの平賀葵が咄嗟に庇ったことから、りょうは難を逃れる。それから1週間後、彼女の祖父が経営する剣道場に再び男が現れ手合わせをすることに。この「武蔵坊弁慶」と名乗る男との出会いが、彼女をやがて時代を超えた壮大な運命へと誘うのだった。

りょうは弁慶の攻撃をかわし一太刀浴びせると、彼はひざまずき家来にしてほしいと懇願する。弁慶曰く、源氏の再興を願うため千本の刀を探していたところ牛若丸である源義経と出会い、消えた彼を追って現代にやってきたとのこと。りょうは自らが義経だと告げられるも、にわかに信じることが出来なかった。しかし、自らに課せられた壮絶な運命を悟ったりょうは、弁慶や彼女を慕う葵と共に過去に戻ることを決意。平安の世で敵対する平維盛(たいらのこれもり)をはじめとした平家との複雑な争いに巻き込まれてゆく。本作は源義経が女性だったり、無骨な弁慶がイケメンだったりとユニークな設定が目を引く。やがて恋仲になる二人が迎える結末は、悲劇的であり感涙必至だ。


『ジパング 深蒼海流』

『ジパング 深蒼海流』

出典:講談社

源氏を代表する二人の武将・源頼朝と源義経の兄弟を軸に、源平の長きにわたる戦いと愛を描いた大河歴史漫画。平治元年の冬、源氏の棟梁・源義朝は13 歳の息子・源頼朝を後継者に据え、平家との戦に出る。初陣だった頼朝は当初活躍するものの、徐々に形勢は平家に傾き父子は離れ離れに。義朝は命を落とし、頼朝は平清盛に囚われるが死罪を免れ伊豆に流される。時を同じくして、義朝の妾・常盤は乳飲み子の牛若を抱え清盛に自首をする。その牛若こそが、後の源義経だった。

成長した牛若は山奥の寺で幽閉生活を送っていたが、幼き日に顔を合わせていた清盛の娘・平徳子と偶然再会し心を通わせる。一方頼朝は、伊豆の地で勢力を増していた北条家に近づき、当主の娘・北条政子とやがて愛し合うようになる。雌伏の時を経て、力を蓄えた頼朝は平家を滅亡させるべく兵を挙げ、弟の牛若も参陣する。牛若は源九郎義経と名乗り、屋島や壇ノ浦の戦いで次々と武勲を上げる。しかし、義経の中には常に徳子の存在があり愛を貫こうとするが、それを良く思わぬ頼朝と対立してゆく。歴史の教科書でお馴染みの源平の戦いが、臨場感たっぷりに描かれているのが特徴だ。また、政子や徳子などヒロインに着眼点を置いた描写も多く、当時の女性たちの強い生き様に心惹かれるだろう。


『遮那王 義経』

『遮那王 義経』

出典:講談社

牛若丸の身代わりとなった少年が、源義経を名乗り平安末期の動乱を立ち回る青春グラフティ。時は現代、とある神社から発掘された巻物に書かれていたのは僅か16歳で死んだ源義経と、彼の代わりに義経として活躍したひとりの旅芸人の記録だった。永万元年、京の都を訪れた旅芸人一座の少年・漂太は偶然出会った婦人・常盤に導かれとある屋敷へと招かれる。なんとそこは常盤の夫で公家の藤原長成の家であり、漂太と瓜二つの少年・牛若こと牛若丸が幽閉されていた。

平清盛に囚われ軟禁されていた牛若は生まれつき病弱であり、外の世界で身を隠すため常盤は影武者を探していたのだ。漂太は申し出を快諾し、持ち前の豪胆さと聡明さで信頼を勝ち取り牛若とも固い友情で結ばれる。しかし、清盛に目を付けられた牛若は鞍馬寺に追放されることとなり、彼の代わりに漂太が出向くことに。数年後、「遮那王」の異名で頭角を現しつつあった彼のもとに、牛若危篤の報が届く。彼の願いで本物の牛若丸として生きることを決意した漂太は、自ら「源義経」と名乗り奥州へ旅立つ。源義経が影武者だったという奇想天外なストーリーに、漂太の数奇な半生が見事にマッチしている。彼が大活躍する源平合戦を描いた続編『遮那王義経 源平の合戦』と合わせて楽しみたい。


『ますらお―秘本義経記―』

『ますらお―秘本義経記―』

出典:小学館

平安末期に活躍した武将・源義経の幼少期〜青年期にかけての奮闘を描いた大冒険譚。時は平安、山奥にある鞍馬の寺に下級貴族の子・遮那王が囚われていた。僧とは名ばかりの生臭坊主たちと敵対する中、常に脱出を試みていたが失敗続きである。しかし、新入りの阿信王(あしんおう)を彼らのいじめで死に追いやったことが引き金となり、遮那王は立ち塞がる敵と闘うことを決意する。関連作に『ますらお 秘本義経記 大姫哀想歌』、続編に『ますらお 秘本義経記 波弦、屋島』がある。

ある日、寺を訪れた平氏の御曹司・平維盛(たいらのこれもり)と出会った遮那王は、二人で謎の男・「天狗」探しに向かう。その道中、盗賊が現れ維盛も含め三つ巴の戦闘となる。遮那王は盗賊に捕らえられていた少女・静を救い出し、天狗に保護され彼らと共に寺を脱出することに成功。京の都へ向かうが、彼が目にしたものは平氏に支配された世界だった。おまけに彼の実母が平清盛に娶られていたことを知り激怒する。平家滅亡を目的に彼は「源義経」と名乗り武勲をあげてゆくが、常に彼の目の前には維盛が立ちはだかるのだった。源義経の幼少期や若かりし頃の戦いの日々が、脚色を織り交ぜながら描かれており新鮮だ。また、静をめぐる義経と維盛の争いという観点からも楽しめるだろう。


『KUROZUKA―黒塚―』

『KUROZUKA―黒塚―』

出典:集英社

能の名作『黒塚』をモチーフに、吸血鬼伝説を織り込んだ夢枕獏の人気SF奇譚をコミカライズ。遥か昔、源頼朝に追われ逃亡の身だった源九郎義経と武蔵坊弁慶の二人は、東北は安達が原の山林にたどり着く。道中二人は一夜の宿を乞うため、山中にある民家を訪ねる。その中から出てきたのは、絶世の美女・黒蜜だった。眉目秀麗な義経にほだされた黒蜜は彼を愛し、いつに間にか二人は男女の仲になる。だが彼女は大いなる秘密を抱えていた。2008年にテレビアニメ化。

なんと黒蜜は不老不死の吸血鬼だった。黒蜜は、義経を吸血鬼にしようと血を交える。しかし義経は完全な吸血鬼になる前に、弁慶の裏切りに遭い首を刎ねられてしまう。生首となった義経は「クロウ」と名乗り、人間の身体をすげ替えながら黒蜜と共に生き延びる。その度に記憶を失う彼の側には常に彼女がいたが、ひょんなことから離れ離れになってしまう。二人を追っていた謎の男・赤帝に救われたクロウは黒蜜を探すべく、大災害が発生した近未来の日本をさまざまな敵と闘いながら彷徨ってゆく。本作は、鎌倉時代から近現代の日本を経て、異世界のような未来に生きるクロウと黒蜜の純愛物語だ。また、同じく不老不死となり二人を追っていた赤帝の意外な正体にも驚かされる。


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