海上自衛隊のイージス艦が過去にタイムスリップする架空戦記漫画。200X年、海上自衛隊最新鋭のイージス艦「みらい」は、海外派遣によりエクアドルへ向かっていた。その途中、みらいはミッドウェー沖で急な嵐に巻き込まれてしまう。直後、みらいの前に第二次世界大戦時の大日本帝国海軍の象徴、戦艦大和が現れた。みらいは、ミッドウェー海戦直前である1942年6月4日の太平洋上にタイムスリップしてしまったのだ。2004年10月にテレビアニメ化。
太平洋戦争時代にタイムスリップしてしまったイージス艦「みらい」とその乗員たち。信じ難い状況に一同は困惑するが、目の前で繰り広げられる史実通りの光景に、タイムスリップしたのだという事実を受け入れざるを得なくなる。そんな中、みらいの乗員は撃墜されて水没しそうになっていた零式水上観測機を発見。多くの乗員が歴史への干渉に難色を示す中、みらいの副艦長である角松洋介二佐は人命を尊重し、観測機から大日本帝国海軍通信参謀・草加拓海(くさかたくみ)少佐を救出した。救われた草加は、角松から未来の日本や世界情勢についての話を聞き、歴史改変に乗り出すことになる。彼は新日本「ジパング」創生を夢見たのだ。結果、みらいは否応なしに歴史の波に飲み込まれていくことになる。
自衛隊の事実上の空母「いぶき」を中心に描かれる架空戦記漫画。20XX年、尖閣諸島沖で海上自衛隊と中国海軍が衝突し、両国は緊張状態となった。戦闘は回避したものの、中国の行動に危機感を覚えた日本政府は、自衛隊初となる事実上の空母「いぶき」を就役させ、対中国のための新艦隊を編成する。最新鋭の戦闘機が搭載されたいぶきの艦長に抜擢されたのは、元航空自衛隊のエースパイロット・秋津竜太(あきつりょうた)一佐だった。2019年に実写映画化。
物語の始まりは、中国人3人による尖閣諸島上陸事件。彼らは、尖閣諸島は中国固有の領土だと主張し、海上保安庁による救助を拒絶した。中国政府は中国人3人の救助を名目に空母を動かし、艦載機を発進。威嚇のミサイルまで発射する。これを受け、日本政府は中国政府に折れる形で尖閣に上陸した中国人たちを引き渡すことになったのだが、この決断に世間では日本の防衛能力や危機管理能力の低さを危惧する声が上がり始めた。事態を重く見た総理大臣は、日本が空母を持ちアメリカに頼らず自国や極東アジアの海上の安全を確保するという「ペガソス計画」を急ピッチで進め、1年後、ついに空母の役割を担う新型護衛艦「いぶき」が就役する。現実で起こっている尖閣諸島問題を絡めた、緊迫感溢れる作品だ。
潜水艦戦を中心に核戦争や国際政治への問題提起を絡ませた架空戦記漫画。ある日、日本近海で海上自衛隊の潜水艦「やまなみ」が沈没するという海難事故が発生。艦長の海江田(かいえだ)四郎二等海佐を筆頭とした乗員70名の生存は絶望的だと思われた。しかし実は、海江田たち乗員は全員生きていた。彼らは日米が極秘で建造した原子力潜水艦「シーバット」の乗員に選ばれており、事故は彼らをシーバットに乗務させるための偽装工作だったのだ。1996年3月にアニメ化。
シーバットは日米が共謀して極秘で造った原子力潜水艦だ。日本が多額の建造費と技術を注ぎ込んで造り、乗員は全て海上自衛隊の潜水艦「やまなみ」の乗員であった日本人。しかし所属はアメリカ第7艦隊だ。シーバットの艦長に任命されたのは、やまなみ沈没事故の偽装工作によって殉職扱いとなり、海将補に昇級した海江田四郎。ところが彼はシーバットの処女航海中に乗員たちと反乱を起こし、米海軍の指揮下から逃亡。問題は、シーバットに核弾頭が積まれている可能性が高いことだった。アメリカはシーバットを核テロリストが乗った敵艦であると認識し、撃沈することを決める。一方、海江田はシーバットを独立国家「やまと」とし、自らが信じる平和のために世界と対峙する決意を固める。
ビートルズのコピーバンドがタイムスリップしてビートルズに成り代わるSF音楽ドラマ。原作は藤井哲夫。20世紀を代表する、イギリス・リヴァプール出身のロックバンド「ビートルズ」。主人公ら日本人4人で構成された「ファブ・フォー」は、ビートルズのコピーバンドだ。2010年3月11日。彼らは突如、1961年3月11日へとタイムスリップしてしまう。そこはまだ、ビートルズがデビューしていない世界だった。それに気づいたメンバーは、自分たちがビートルズに成り代わろうと考える。
蜂矢翔、鳩村真琴、鷹津礼、鶴野コンタ。彼らは4人でビートルズのコピーバンド「ファブ・フォー」を結成し、日本のビートルズバンドの聖地・六本木リボルバーと専属契約を結んで、ステージに立つ日々を送っていた。そんな彼らがビートルズのデビュー前の時代にタイムスリップしてしまうところから、物語は動き出す。真琴は、自分たちがビートルズより先に彼らの曲を発表すれば、ビートルズが本来なら存在しなかった214曲目の新曲を作り、その新曲と自分たちのオリジナル曲を競わせることができるのではないかと考えた。ビートルズの曲を歌えば、自分たちがビートルズになれるのか。時空を超えた壮大なスケールで描かれる盗作スペクタクルの結末を見届けよう。
血の繋がらない兄妹の愛憎と官僚政治の腐敗が描かれた社会派漫画。榊龍男と榊陽子は、大物政治家である榊龍太郎を父に持つ血の繋がらない兄妹だ。2人は互いに惹かれ合いながらも、龍男は父の後を継いで政治の世界に、陽子は学生運動家を経て中東で革命戦士になり、正反対の道を歩んでいくことになる。どちらも思い描くのは、希望に満ちた未来と豊かな社会。そのためにそれぞれの場所で戦いを繰り広げていた龍男と陽子が、戦いを通じて運命の再会を果たす。
ベトナム戦争が激化した年、世界的な規模で学生運動が盛んになった。それは日本も例外ではなく、多くの学生たちが運動に参加し、機動隊と衝突することになった。学生たちのジグザグ・デモを眺めていた龍男は、その中に陽子の姿を見つけた。城東大学に所属していた彼女は政治や権力に強い不信感を抱き、学生運動に参加。反権力を掲げる闘士としての道を歩み始めていたのだ。陽子は政治運動に興味のない学生をたちまち運動家に変えてしまう「オルグのプロ」として有名だった。その凄腕ぶりからついたコードネームは「メドゥーサ」。やがて彼女はテロリストとなり、一方で龍男は政治家として頭角を現していく。相容れない2つの正義の行方と、龍男と陽子の複雑な関係から目が離せない。