舞台は西暦300X年の未来の地球。そこは邪悪なマルハーゲ帝国が支配するディストピアだった。皇帝ツル・ツルリーナ4世は己の力を誇示するため、人類を丸坊主にすべく毛狩り隊を結成、人々の新鮮な髪の毛を無理やり引き抜きにかかる。人類の髪の毛の自由と平和を守るため、鼻毛真拳の使い手ボボボーボ・ボーボボが立ち上がる! 掲載誌である『週刊少年ジャンプ』の人気連載の数々をパロディにした、不条理ギャグバトル漫画。とにかく全編バトルで話が進んでいく。それでも「努力・友情・勝利」でまとまっているのは、さすがというべきか。
生まれたときから髭や胸毛の生えている、見た目どうみてもおっさんな小学生・たけしと、その仲間たちが繰り広げるバトルギャグ漫画。酔っ払いのケンカを仲裁しようとして、あえなく死んでしまった父親ヒロシを尊敬するあまり、たけしは父親と同じ「リーダー的存在」になろうと決意する。人間離れした身体能力をもつたけしは、「リーダー的パンチ」や「リーダー波」を繰り出して戦う。連載当初は「ちょっといい話」のハートフルコメディを目指していたが、次第にジャンプおなじみの「努力・友情・勝利」のバトル展開に突入。以後は、シリアスバトル編と過激ギャグ編を交互に繰り返すスタイルになった。
「おやつを中心とした世界」に住む主人公「おやつ」くんの活躍を描いた超シュールな不条理ギャグ。前半はおやつくんが単独主人公なのだが、後半は『キン肉マン』方式で読者から公募した「ぼくの考えたキャラクター」が登場し、彼らが入れ替わり立ち代り、独自の世界を展開していく。そんな感じで1ページから6ページほどの短編ギャグがオムニバス的に果てしなく続くのだが、とにかく話も展開も不条理かつ唐突で、意図的に読者をおいてきぼりにしようとしているとしか思えないくらい。ちょっとゆるめの愛らしい絵柄に惑わされていると、たちまち狂気の世界に引きずり込まれてしまう。 「君の恋心を刺激するメルヘン漫画の決定版」という惹句がついているが、もちろんこれは作者のギャグ。
超エログロナンセンスギャグ漫画。下ネタなどという生やさしいものではなく、SMやスカトロなど、ありとあらゆる変態性異常性欲のオンパレードとなっている。流血や殺人もごく普通に登場し、しかもそれらがすべて単なるギャグとしてあつかわれるため、あらかじめ覚悟して読む必要がある。そもそも主人公が、史上最強の性豪を父にもつ、バカでデブでスケベで見栄っ張りで大食らいのどうしようもないクズみたいな42歳の中年男という時点で、かなり読者を選んでしまうだろう。その分、その過激でアンダーグラウンドなギャグは麻薬的な魅力があり、一部で熱狂的に支持されるカルト的作品といえる。「ロールミー!」「~屋!(叫ぶと出張してくる、さまざまな出前業者)」「ペニセスト!」など、台詞回しも独特かつ味わい深い。
『エロイカより愛をこめて』『アルカサル-王城-』など、シリアスな少女向け漫画の数々で有名な作者が放つ、必殺歴史ギャグ。主人公の英国青年3人組は、ある日突然、天使ドジエルから「イブの肋骨から作られた、男性だけの種族・ヴァン・ローゼ族」であることを告げられてしまう。そして毎回ドジエルに召喚されては、歴史の影でヴァン・ローゼ族と敵対してきた女たちとの騒動に無理やり巻き込まれるのだ。登場する歴史上の人物は、モーゼ、コロンブス、マルコ・ポーロ、北条政子、ヒトラーなど盛りだくさん。その細かい歴史ネタの博識ぶりと、ネタの調理のセンスは卓越しており、後年のシリアス作品にもつながっている。