沢村栄治の意志を継いだ9人の野球超人たちが「一試合完全燃焼」を信条に最強の野球チームの結成を目指す『アストロ球団』。その主人公・宇野球一はアストロ球団のエースにして4番。アストロ球団がプロ野球球団かどうかは解釈が分かれるところですが、プロ野球チーム・ロッテとも試合を行っており、実力的には日本のプロ野球を凌駕する存在とされる球団です。球一は投手として「三段ドロップ」「スカイラブ投法」「ファントム大魔球」の魔球をもあみだし、打者としては「ジャコビニ流星打法」をあみだし、野球超人として人間離れした試合を行っていきます。
プロ野球漫画史上、指名打者制度のあるパ・リーグで毎試合打席に立った初めての投手は『光の小次郎』の主人公・新田小次郎です。超一流の打者の素質を買われての起用でしたが、その結果、指名打者専門の選手・日影との間に軋轢が生じてしまいました。しかし、小次郎は結果を出すことで周囲を納得させていきます。
『なんと孫六』の主人公・甲斐孫六は16歳でパ・リーグ球団「大阪ジョーズ」に入団しますが、その圧倒的な長打力を認められ、指名打者制度があるにも関わらず打席に立ちます。試合デビューから本塁打を量産した孫六は、最大のライバル球団・武蔵レンジャーズとの初対戦では3番に座り、レンジャーズのエースたちを撃破していきます。
TVアニメでも大人気だった野球漫画『侍ジャンアンツ』。その主人公番場蛮も巨人に入団した当初は投手兼打者でした。球は重くて速いがコントロールが悪かったため、入団1年目はまず打者として起用された程です。その後、八幡先輩の献身的な協力のおかげもあって、番場蛮はコントロールを身につけ、投手として一流になっていきます。
プロ野球界に恨みを残して死んだ親たちの怨念により背中に竜のいれずみを入れられた子供たち。彼らが成長し、プロ野球球団に復讐を果たす物語が『群竜伝』です。この作品の特徴は、当初、主人公と思われていた白井がエースでも4番でもなかったこと。物語の終盤で、竜の頭のいれずみを背負った人物が突如現れ、その圧倒的な存在感でエースで4番のリーダーとなります。しかし、このリーダー、皆から「頭(かしら)」と呼ばれるだけで最後まで名前もはっきりしません(頭竜という名字だという説もあり)。エースで4番の選手の名前がはっきりしないという、前代未聞の作品がこの『群竜伝』なのです。