主人公の甲斐孫六は、小柄ながら驚異的な身体のバネの持ち主でスピードガンでも計測不能の魔球「孫六ボール」を投げる投手。高校一年で甲子園準優勝投手になるも喧嘩によって高校を退学。その後、パ・リーグ「大阪ジョーズ」に16歳で入団。開幕から一ヶ月で5勝をあげ月間MVPに輝くも、またも事件に巻き込まれチームを自由契約に。その年にメジャー・リーグの「アリゾナ・カウボーイズ」に入団し、チームをワールド・シリーズ優勝に導きます。ワールシリーズの胴上げ投手という輝かしい実績は、野球漫画の世界でも最高峰のものといえるでしょう。
野球漫画界のレジェンド投手といえば、やっぱり『巨人の星』の主人公・星飛雄馬ですね。ジャイアンツ入団後、「球質が軽い」という弱点を克服するため、魔球「大リーグボール1号」「2号」「3号」を編み出し、最後には完全試合を達成します。しかし、「大リーグボール3号」の連投により左肘を壊し再起不能となり失踪。しかし、数年後、星飛雄馬は『新・巨人の星』で右投手として復活。「蜃気楼の魔球」を完成させ、第一期長嶋巨人軍に貢献します。
野球漫画の王道作家として最多数の作品を執筆している水島新司先生。先生が描いてきた投手の中で最強の投手は誰か? 様々な意見があるでしょうが、最強と呼べるのはやっぱり『光の小次郎』の新田小次郎ではないでしょうか。甲子園準優勝投手の新田小次郎は12球団全てからドラフト1位で指名されるも、ドラフト制度そのものを否定してプロ入りを拒否。1年の浪人ののちドラフト制度が撤廃されたことでパ・リーグ「武蔵オリオールズ」に入団します。1年目で2度の完全試合を含む16勝をマーク。二年目のオールスターで偶然投げた「光る速球」をマスターするため一時低迷するも、シーズン終盤で復帰。「光の速球」を投げて伝説の存在となります。その後、新田小次郎は『ドカベン ドリームトーナメント編』にも登場。165キロの速球でドカベン・山田をうちとります。
野球漫画史上最強の抑え投手のひとりが『ストッパー毒島』の主人公・毒島大幸です。パシフィック・リーグ最弱・最低人気のお荷物球団「京浜アスレチックス」にドラフト8位で入団した毒島は、2年目に急成長。160キロをこえる速球と「ブスジマチェンジ」と呼ばれるチェンジアップで弱小球団を奇跡の優勝へと導きます。
野球漫画界で伝説の大投手として名を挙げざるを得ないのが『野球狂の詩』などに登場する”球聖”岩田鉄五郎です。登場当初は「よれよれ18番」などと揶揄されることもありましたが、50歳をこえて現役を続ける姿に野球人やファンは感銘し、”球聖”と呼ばれるようになります。その後、『野球狂の詩VSドカベン』では80歳で現役復帰し、超人ぶりを見せつけます。また、岩田鉄五郎は日本で一番最初にフォークボールを投げた投手でもあるのです。