騎手の武豊が原案を手掛けた、競馬騎手のトップを目指す青年を描いた青春物語。上杉圭は、未来の競馬騎手を目指す騎手候補生。彼はある日、競走馬に向かないと処分されるはずだった練習馬フラワーカンパニーの実力を見抜き、模擬レースに出場することになる。それは、彼の険しい騎手への道の始まりであった。
タイトルの「ダービージョッキー」とは、競馬レース「ダービー」シリーズで勝利した騎手に贈られる、栄誉ある称号のこと。主人公の圭は、そのダービージョッキーに憧れる騎手候補生だ。処分されるはずだった練習馬フラワーカンパニーと模擬レースを戦う圭だが、フラワーカンパニーは事故で骨折し安楽死処分となる。馬に深い愛情を持っている圭は騎手の道を諦めかけるが、馬主の言葉から再び競馬の世界へ。圭のように馬に深く愛情を持つ騎手もいれば、負ければ処分される馬を道具と割り切ってレースに挑む騎手もいる。そんな競馬界の過酷な現実と、騎手たちの熱い想いが描かれている。
変わった外見の競走馬「ミドリマキバオー」の成長物語。経営難に悩む牧場「みどり牧場」の牧場主は、名馬として知られるミドリコが産む仔に期待をかけていた。しかし、産まれたのはとても馬には見えない生き物、うんこたれ蔵(のちのミドリマキバオー)だった。そんなたれ蔵だが、競走馬として成長していく。1996年TVアニメ化。
ギャグ漫画で知られるつの丸の作品だけに、基本はギャグ漫画タッチで描かれてるが、シリアスでハードな展開も多く、競走馬の成長にスポットを当てた競馬漫画だ。主人公のたれ蔵は、まるで犬のような大きさで顔もカバのような白い馬。名馬ミドリコの仔ということで周囲の期待は大きかったが、とても競走馬に向かないと牧場主を落胆させる。牧場主は経営難のためミドリコを借金のカタに売ってしまうが、母を追ってたれ蔵は牧場を脱走する。元々優れた足と心臓を持っていたたれ蔵は、その時に牧場主たちを驚かせる走りを見せた。やがて、たれ蔵は彼を導くネズミのチュウ兵衛やライバルとなる名馬カスケードと出会い、競走馬として成長していく。
競走馬と騎手の成長と戦いを描いた物語。森川牧場は競走馬を育成しており、牧場主の息子・森川駿は名馬サザンウィンドを家族のように大事にしていた。ある日、サザンウィンドが仔を出産するも命を落としてしまう。駿は、サザンウィンドの忘れ形見である仔馬「シルフィード」と共に、騎手となって競馬の道を進むことを選ぶ。
シルフィードは名馬サザンウィンドから産まれた仔だが、生まれつき足に故障がありその場で殺処分されそうになる。そんなシルフィードを、主人公の駿は引き取り育てることを誓う。駿の母も彼を出産した時に亡くなっており、シルフィードと自分を重ねてしまったのだ。駿の献身的な世話と治療で故障を克服したシルフィードだが、それでもその実力を認めない者は多かった。そんな中、駿は高校に進学せず騎手を目指して日本中央競馬会(JRA)競馬学校へと進学し、騎手としてシルフィードと組むことになる。産まれた時から共にあった彼らは様々なレースでその実力を発揮し、日本最高峰のレース「日本ダービー」優勝を目指して勝利を重ねていく。
金色に輝く体を持って産まれた仔馬と、その仔馬の血族や騎手や馬主たちの物語。牧場主の孫娘である真黄は、亡くなった祖父の跡を継ぎ、「有限会社イエローファーム」の牧場主になる。そして、かつて伝説の名馬イエローダイオーを生み出したこの牧場で、イエローダイオーを越えると予言された金色の毛を持つ仔馬が産まれた。スピーディワンダーとてつもない試練が襲い掛かる。
本作のタイトルである「スピーディワンダー」は、イエローファームに生まれたばかりの金色の体をした仔馬である。真黄の祖父である先代の牧場主は「金色の仔馬が産まれたらイエローダイオーを越える馬になる」と言い残していた。予言通り全身金色の毛を持つスピーディワンダーの誕生を喜ぶ真黄たち。だがその日、スピーディワンダーの兄に当たるスーパーキングオーが、この日のレースに勝てなければ殺処分されることが決まってしまう。スーパーキングオーは三歳にしてまだ一度も勝ったことがなく、しかもその日彼に乗る講神は最近落ち目のジョッキーであった。絶望的な状況で始まったレースの中、奇跡の物語が幕を上げる。物語はスーパーキングオーのレースから、徐々にスピーディワンダーの成長や血統の謎へと展開していく。
『LIAR GAME』で知られる甲斐谷忍が描く競馬「予想」漫画。漫画家の夢を編集者のダメ出しから諦め大学生となった山川七雄はある日、占い師の言葉に従って競馬場に行きつく。そこで彼は競馬予想団体「ウイナーズサークル」のメンバーと知り合い、サークルに誘われた。七雄は漫画家としてスケッチを繰り返した経験から身につけた、過去の写真と比べて体格が大きく変化した馬を見極める目で馬券を当てていく。
主人公の七雄は漫画のデッサンのために競馬場へ行ったことがあるだけの、競馬予想とは縁がない青年だった。だが漫画家として鍛え上げた、彼の馬体を見極める観察力を見た競馬予想団体「ウイナーズサークル」のメンバーたちは、彼の才能を利用しようとサークルに勧誘する。七緒の加入によって実際にメンバーの予想的中率は上昇し、彼が自分の才能に気づき独り立ちしてしまわないようにサークルの面々はあの手この手で工作を繰り返していた。だがそんな彼らの前に、七緒の漫画を否定した編集者や、七雄の才能を便利な道具として見ていない者などが現れたことで、サークルメンバーは七雄を仲間として護り絆を深めていく。賭け事としての視点から、競馬の仕組みを描く作品だ。