村上もとかの代表作の一つ。幕末の江戸時代を舞台に、タイムスリップした現代の脳神経外科医・南方仁が、当時の医療技術では治療困難な病気や外傷に対して現代医学の知識と技術で人々を救う物語。仁は医学館の医師や町人たちと関わりながら、梅毒患者の治療や外科手術を行い、次第に人々の信頼を得ていく。また、坂本龍馬や勝海舟といった歴史上の人物との出会いを通じて、仁は医療を通じた社会改革に関わることになる。本作は、時代劇とSFの要素を含んだ医療漫画。現代医学と江戸時代の医療技術の対比やタイムスリップによる歴史改変の可能性、医師としての使命感といったテーマが特徴である。歴史的背景として黒船来航後の開国論争、尊王攘夷運動、薩長同盟といった幕末の政治的動乱が設定されている。また、専門家の監修により、医学的な専門用語や手術の過程がリアルに描写されている点も特徴となっている。集英社「スーパージャンプ」2000年9号から2010年24号まで連載。2011年に第15回「手塚治虫文化賞」マンガ大賞を受賞。テレビドラマ化され、2009年には第1期、2011年には第2期(完結編)が放送された。また、2012年には韓国版のテレビドラマも制作された。