実写映画化された女性向けマンガ53 Pt.

近年多くの実写化が目に止まるが、女性向けマンガにスポットを当てご紹介する。

マンガ誌「Cookie」にて連載されていた「矢沢あい」氏による作品。2005年に実写映画化をし、歌手「中島美嘉」と女優「宮崎あおい」のダブル主演。主題歌の「GLAMOROUS SKY」は「L'Arc〜en〜Ciel」の「hyde」が楽曲提供したことで有名である。キャラクターの再現度の高さと、主題歌と挿入歌が話題を呼び、観客動員数300万人を越すほどの大ヒットとなった。プロのミュージシャンを目指す「大崎ナナ」、一足先に上京した彼氏の元へ向かう「小松奈々」。同じ名前、同じ年齢の二人が同じ新幹線で上京という二人の出会いはこの物語が始まるきっかけとなり、のちに彼女達を取り巻く人々の友情や恋そして出会いと別れが描かれている。「矢沢あい」氏はかつて被服学校に通っていた経歴があり、マンガ家にならなければスタイリストになっていたとの発言もあるほどオシャレ好き。そのため作中のキャラクターが着る衣服や装飾品も細かく作画されており、そこも見所なのが『NANA -ナナ-』である。

恋愛経験ゼロの主人公「篠原エリカ」はクラスメイトとの恋バナに合わせるため、存在しない、嘘の彼氏の話でどうにか誤魔化していた。彼氏の存在をクラスメイトに怪しまれていた中、道端で見かけたイケメンを盗撮してしまう「エリカ」。翌日盗撮したイケメンをクラスメイトに彼氏として写真を見せるが、実はそのイケメンは同じ高校に通う「王子」と呼ばれる女子から大人気の存在であった……!!校内の有名人だと知らず盗撮してしまった「エリカ」は話を合わせるよう「王子」こと「佐田恭也」に彼氏のフリをしてくれと願う。しかし状況をきいた「恭也」は「王子」とかけ離れたダークな笑みで条件として「3回まわってお手からのワン」という「王子」らしからぬ態度であった。実写では嘘つきの「オオカミ少女」こと「篠原エリカ」を「二階堂ふみ」、実は腹黒い「王子」である「佐田恭也」を「山崎賢人」が演じるラブコメディである。

マンガ誌「別冊マーガレット」より2006年から連載を開始し、昨年2017年12月号に最終話を迎えたばかりの作品。実写映画には「多部未華子」と「三浦春馬」を起用して原作を忠実に再現されたものとなっている。舞台は雪国北海道。黒い長髪からあだ名は「貞子」と呼ばれ恐れられている主人公「黒沼爽子」はクラスに馴染めないまま日々を送っていた。そんな「爽子」とは対照的な「風早翔太」は男女関わらず友達も多く校内でも人気の高い存在であり「爽子」の憧れの人でもあった。そんな対照的な二人だが、「貞子」のあだ名があっても気にせず接する「風早」。次第に二人は親しくなっていく。この二人をはじめ周りの友情や恋愛や進路などと、この時期にしか悩めない高校生の日々を描いた作品である。

禁断の警察官と女子高生の恋を描いた作品。2013年から現在まで連載がされている『PとJK』は2017年に実写映画化され主人公「本谷歌子」を「土屋太鳳」、警察官である「佐賀野功太」を「亀梨和也」が演じ話題を呼んだ。青春真っ盛りな高校生「本谷歌子」。婚活真っ最中の親友の姉の頼みにより、合コンに行くこととなった。年齢を偽り参加した「歌子」。その合コンで「佐賀野功太」と親しくなる……が、高校生とバレた途端「功太」の態度は一変し、泣く泣く家路につくこととなった。謎を残しつつ翌日、登校中の道端で「功太」と遭遇してしまう。彼の着ていた服は警察官の制服であり、「歌子」の暮らす地域の警察官だったのだ。「歌子」は成人かつ警察官である「功太」との恋は叶わないと思っていた矢先、帰宅途中に変質者に襲われそうになる。そんな時見回りをしていた「功太」に助けられた。それを機に年齢や立場関係なく恋い焦がれた「歌子」。猛アタックを試みるが果たして警察官と女子高生の恋は実るのだろうか……!?

2011年から2015年にかけマンガ誌「別冊マーガレット」で連載され、2014年にはアニメ化と実写映画化がされた。タイトル「アオハライド」とは「青春（アオハル）」に「ライド（ride）」が合わさったもので、「青春に一生懸命乗っていく」という意味の作者「咲坂伊緒」氏による造語である。主人公「吉岡双葉」は過去に男子からモテたという理由で女子生徒からハブられる中学校生活を送っていた。高校生活ではそんなことがないよう、がさつに振る舞い自己防衛をしてきた。そんなある日、中学時代の初恋の相手であり中学の夏休みに突如転校してしまった「田中」君と校内で再会する。「田中」君に話しかける「双葉」に彼は「田中」ではなく「馬渕」だと言い去っていく……。初恋の「田中」君のはずなのに、性格も言動も変わってしまった彼。なぜ「馬渕」と言うのか、なぜ別人のようになってしまったのか……。

主人公「安達もも」は黒い肌に赤い髪をした見るからにギャルで遊んでそうなイメージだが、実は純粋で真面目な女子高生。この見た目の原因は中学まで日々水泳の練習に明け暮れていた名残である。そんな「もも」だが中学の頃からの同級生「東寺ヶ森一矢（とーじ）」に片思い中。しかし「とーじ」のタイプは色白で華奢な女の子という明らかに「もも」とは正反対だと知り、色白になる努力をするがそんなことをしなくても二人は両思いであった。晴れて付き合うことになった二人の前に「柏木さえ」と「岡安浬」が現れる。「さえ」は「もも」と対照的な色白で華奢な小柄な女の子であり、「岡安」はスタイル抜群のイケメン。この二人の登場で波乱が起こる……!!本作『ピーチガール』は1997年から2004年までマンガ誌「別冊フレンド」にて連載。2005年にはアニメ化され、昨年2017年には実写映画化となった。全18巻であり非常に読み応えのある作品である。また2016年には続編である『ピーチガールNEXT』がマンガ誌「BE・LOVE」にて連載を開始した。

マンガ誌「LaLa」にて2002年から2010年にかけ連載され、2011年に実写ドラマ化。また2012年には実写ドラマのキャストで映画化もされた。全18巻の累計発行部数は1100万部を超え、日本のみならず世界各国でも翻訳されている。上流階級の子ども達が通う「私立桜蘭高校」には暇を持て余した女子生徒を暇を持て余す男子生徒がもてなす「ホスト部」が存在する。一般庶民である主人公「藤岡ハルヒ」は特待生として入学するも、あるきかっけにより「ホスト部」に多額の借金をしてしまう。性別を偽り「ホスト部」の一員となり借金を返す学校生活を送る「ハルヒ」。個性豊かな「ホスト部」のイケメン達に翻弄されるも、はたして借金を返済することができるのだろうか……!?一般庶民とセレブ達が繰り広げる学園マンガである

マンガ誌「デザート」にて2008年から2017年にかけ連載され2012年にはアニメ化、2014年には実写映画化された。イケメン「黒沢大和」役には人気俳優「福士蒼汰」を起用している。主人公「橘めい」は小学生時代にクラスで飼っていたウサギの急死の原因をクラスメイトにより「めい」になすりつけてしまう。それ以降「めい」は心を閉ざし、友達を作らず日々を送るようになった。高校に入学してからも無口で他人との関わりを持たない生活を送っていたが、ある男子生徒のセクハラまがいの行為に腹を立てた「めい」は回し蹴りをきめるも、誤って隣にいた校内一のモテ男「黒沢大和」に当たってしまう。それ以降「大和」は「めい」を気に入りアプローチをする。次第に二人の仲は深まり付き合うようになり、彼との出会いで「めい」の生活は180度変わり、様々な人間関係が増えていく……。一人で過ごしていた「めい」と校内一のモテ男「大和」の対照的な二人の青春ラブストーリーである。