ハードボイルドな探偵に痺れる!オススメ漫画5選63 Pt.

探偵という職業は得てして謎めいたイメージがある。そして、漫画のみならず、探偵ものというのは娯楽の定番であり、多種多様な探偵をモチーフとした作品が日々発表されている。今回は、その中でもハードボイルドなテイストの漫画5作を紹介する。

ハードボイルドな探偵に痺れる!オススメ漫画5選

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『リバースエッジ 大川端探偵社』

『リバースエッジ 大川端探偵社』

出典:日本文芸社

小さな探偵社を舞台にさまざまな人間模様を描く1話完結の探偵ヒューマンドラマ。浅草の隅田川沿いの雑居ビルにある「大川端探偵社」で主人公の青年・調査員の村木タケシ、裏社会に精通する、一切が謎に包まれた所長、受付嬢のメグミが、舞い込んだ依頼をそれぞれの方法で調査し、解決していく。どこか風変わりな依頼内容は読者の好奇心を刺激する。例えば、第1話の依頼は、豪華客船で行われるという都市伝説的なカラオケ大会の真相を暴くというもの。2014年にテレビドラマ化。

原作者のひじたか憂峰は、ハードボイルドの分野で数多くのヒット作を遺した漫画原作者・狩撫麻礼(かりぶまれい)の変名。『迷走王 ボーダー』以来の約20年ぶりの作者との共作である。どこか奇妙だが下町的な人情味のあるストーリーと、『軍鶏』などで培われた作者のハードボイルドに適した巧みな筆致の作画によるコラボレーションが読者を惹きつける。足で稼ぐがモットーの優秀な調査員である主人公・村木や裏社会に顔の利く謎多き所長など、探偵側の人間が魅力的なのはもちろんだが、風変わりな依頼を持ち込む、老若男女関係なくさまざまな依頼者も毎回造形豊かに描写され、ページをめくる手が止まらなくなってしまう。静かに鋭く人間を洞察した描写が見事な良作だ。


『悔い改めよと叫ぶ声在り』

『悔い改めよと叫ぶ声在り』

出典:日本文芸社

新宿を舞台に、記憶をなくした探偵・高円寺歩(こうえんじあゆむ)の万屋としての日常をつづったハードボイルド探偵作品。眠らない街とも呼ばれ、「混沌」のイメージも強く、さまざまな顔を持つ新宿。そんな街で記憶喪失の歩は、正体不明の金貸し、通称「歌舞伎町の峰不二子」に拾われたことから、探偵として生きることとなる。孤独な探偵の目を通し、退廃的な街に内在する都会の不条理や闇を哀感たっぷりに描いている。性的な描写もしばしばあり、大人向けの探偵作品である。

第1話で、歩は一流興信所の下請けという形で大手商社会長の娘を探すという依頼を受ける。娘は歌舞伎町のホストに入れ込んでおり、それを知った総会屋が手を出す前に連れ戻してほしいというのがその依頼だ。「冷え切った親子の”涙の再会”」とうそぶきつつも、調査を行いながら、歩は新宿を「白と黒がハッキリとした世界」、「灰色を許さない街」と述懐する。そういった光と影が存在する新宿を舞台に、混沌としたその街のさまざまな顔が克明に描かれる。ハードボイルドな探偵の物語であると同時に、新宿という街を主題に据えた作品ともいえるだろう。代表作の『重機甲兵ゼノン』をはじめ、ダークで重厚な作風を得意とする作者の面目躍如たる優れた探偵漫画である。


『ハード&ルーズ』

『ハード&ルーズ』

出典:amazon

孤独な探偵・土岐正造と、さまざまな依頼人がおりなす一話完結形式の探偵ヒューマンドラマ。ハードボイルドならぬ「ハード&ルーズ」な探偵の日常を描いている。ボクシングと競馬を愛する正造のもとに舞い込む依頼は、探偵ものでは定番といえる浮気調査から、風変わりな人探しや、猫探しなど多岐にわたる。正造の風来坊的なゆるさと相まって、バブル期の日本の空気や時代感、そこに生きる人々の機微を巧みに映し出した描写が素晴らしい大人向けの探偵作品である。

事務所には電話と机しか置いておらず、依頼人とはもっぱら喫茶店で会うといった「ルーズ」な私立探偵・正造。事務所への電話は転送サービスでその時々の自分の泊まり場所につないでもらっている。いわゆる人情ものとも犯罪ものとも一味違った探偵の日常を映し出した本作。探偵の職務に頓着せず、ルーズな日常を送る正造だが、依頼人の人生と交わっていくことで若干の渋味を作品に醸し出しており、そのバランスがよい読み味につながっている。ときおり挿入されるブルースやブラックミュージックの描写などもその渋味に一役買っており素晴らしい。『沈黙の艦隊』などで知られるかわぐちかいじの作画と、探偵ものなどで多数のヒット作を持つ狩撫麻礼の原作が見事に化学反応を起こした傑作である。


『ハロー張りネズミ』

『ハロー張りネズミ』

出典:講談社

主人公である探偵・七瀬五郎やその仲間たちが、数々の事件に挑む探偵コメディ漫画。東京都板橋区下赤塚の「あかつか探偵事務所」所属の探偵である五郎は、ボサボサの髪型で、眠らずに対象者を尾行すること(本人いわく「張リ寝ズ視(ミ)」)から「ハリネズミ」の愛称で呼ばれている。日常的な調査を描いた人情ものやサスペンスのみならず、超常現象に至るまで幅広いテーマを扱っているのが特徴的である。1996年、2017年にテレビドラマ化。

五郎をはじめ、同僚の木暮久作(きゅうさく)や社長の風かほるなど、登場人物がみな魅力的な本作。例えば、第1話の依頼者である、探偵事務所の向かいにある喫茶店のマスターも愉快な人柄である。常連の女性客に一目ぼれしたマスターは、彼女の素性を探ってほしいとコーヒー券10枚で五郎らに依頼する。暇に飽かすだけよりましと五郎らは受諾する。こういった描写からも分かるが、本作は連載当時のバブル期の世相をよく映し出しており、どこかユーモアを込めて描かれていて、牧歌的で楽しい。『課長 島耕作』シリーズや、『人間交差点』、『黄昏流星群』などのヒューマンドラマを得意とする作者の手腕が惜しみなく発揮されたハードボイルド・コメディ作品であり、もう一つの代表作である。


『探偵は笑わない』

『探偵は笑わない』

出典:小学館

長身でベビーフェイスの優男探偵が、持ち前の推理力で事件を解決していくハードボイルド・ラブコメ漫画。主人公・八奈巳武(やなみたけし)は元検事の私立探偵。恋人で弁護士の麻生伊織とともに彼は難事件に挑んでいく。武は飄々とした性格で、頭の回転が速く、美男で非の打ち所がない男性。恋人の伊織にベタ惚れしており、彼女に危機が迫れば危険を顧みず救出に向かう熱い一面もある。少女漫画家として恋愛ものを多く手掛けた作者ならではの魅力ある探偵だ。

本作で武と伊織が立ち向かっていくのは、殺人事件などの凶悪犯罪が主だ。ゆえに武が検事をやめることになった理由をはじめ、暗めのエピソードが多々ある。怨恨や恋愛関係のもつれなど、人間の負の部分が入念に描かれているため、暗い話になりがちではあるが、武の性格が前向きで明るいことが功を奏し、また伊織や依頼人、果ては罪を犯してしまう人物までもが魅力的に描かれているため、読み味はよい。それもあって、ラブコメとしても十分に楽しむことができる。起承転結のしっかりしたストーリー運びや、緻密な心理描写により、感情移入しやすい。恋愛描写の巧みさもさることながら、サスペンス的な要素も十分。本格的なハードボイルド作品だ。


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