予測不能な不思議系女子と妄想系男子のシュールな日常を描いた密着ラブコメディ。高校1年生・ライドウは、隣の席の「阿波連(あはれん)さん」こと阿波連れいなが気になるが、一度も口をきいたことがない。小柄で大人しめの彼女に、精神的にも物理的にも距離を感じていたからである。ある日ライドウは阿波連さんが落とした消しゴムを偶然拾うが、その出来事がきっかけで二人の距離は極端に縮まるのであった。2022年にテレビアニメ化。
消しゴムを拾ってもつれない彼女にライドウは違和感をおぼえるが、それは序章に過ぎなかった。次の授業でいきなり阿波連さんは身体を密着させて彼の教科書を覗きこんだり、昼休みも一緒にお弁当を食べたりするのであった。当初は困惑するライドウであったが、実は彼女は人と接する時の距離感を測るのが大の苦手であることを知る。ライドウはそんな彼女を温かく見守り、二人は精神的にも強く結びついてゆく。誰もが一度は悩む「他人との距離感」というテーマが、晴れて付き合うこととなった二人のふれあいを通して描かれている。阿波連さんは距離感だけでなく予測不能な行動で彼を振り回し、ライドウもまたそんな彼女にあれやこれやと過保護な妄想を働かせるのが面白い。
超ド近眼なのにメガネを忘れる女子と、彼女をサポートすべく奮闘する男子が織りなすラブコメディ。「小村くん」こと小村楓は、隣の席のメガネ女子の「三重さん」こと三重あいに一目惚れをする。ボーッとして不思議ちゃんな彼女に見つめられたいと密かに思っているぐらいだ。そんなある日、三重さんは「めがね 忘れてきちゃって⋯」と裸眼の状態で現れる。目つきが悪く眉間にしわを寄せた姿も可愛いと感じる小村くんだが、彼女の一挙手一投足に惑わされることになる。
三重さんがメガネを忘れたことから初めて会話することになった小村くんだが、ド近眼ゆえに接近してくる彼女とまともに目を合わせることができずドギマギする。だが、小村くんは彼女の世話をしようと決意し、教科書を見せてあげたり下駄箱の靴を探してあげたりと至れり尽くせりだ。彼女が再びメガネを忘れるよう祈る小村くんであったが、それ以来なぜか三重さんは裸眼で登校してくるのであった。メガネがきっかけで距離が縮まった二人だが、交際に発展しない微妙なやり取りが中学時代の甘酸っぱい恋愛を想起させ、ノスタルジックな気分に浸ることができる。純朴で献身的な小村くんの気を引くために、わざとメガネを忘れたりとツンデレな三重さんのいじらしさにも心温まる。
クラスで孤立する少女と、空気を読まず彼女にグイグイ絡む転校生のふれあいを描いたハートフルストーリー。主人公の小学5年生・西村茜は地味な服装に黒髪から覗くギョロ目が原因で、クラスメイトから「死神」と呼ばれていた。内気な性格も相まって、彼女が触れたものは「呪いが移る」などと言われからかいの対象となっていたが、彼女の前に転校生・高田太陽が現れる。彼女が避けられている事情を全く気に留めない高田は、西村に一緒に帰ろうと誘うのであった。
高田に声をかけられ驚く西村であったが、彼は「死神」というあだ名がクールでかっこいいと言う。そんな二人を見て、彼女をからかっていたガキ大将の北川虎太郎たちがからんでくるが、高田は臆することなく彼らをいなす。彼女と話すのが楽しいと笑う高田に、西村は心を開き友情を育んでゆく。また、いじめに加担していなかった優等生の安達海美(うみ)や元気者の日野大地が仲間に加わり、西村は普通の小学生としての日常を取り戻すのであった。子供同士のからかいやいじめは時としてシビアだが、高田の屈託のない態度に西村だけでなく周りも少しずつ感化されてゆくさまに心温まる。ふれあいを重ねるうちにほのかに二人の間に生まれる恋模様も微笑ましい。
ひょんなことからコスプレ衣装製作の道に足を踏み入れた男子高校生の、奮闘と受難を描いたちょっぴりHな青春ストーリー。老舗雛人形店の一人息子・五条新菜(わかな)は雛人形職人を夢見る高校生だ。陰キャで人形製作に明け暮れている新葉は、クラスでも目立たない存在だった。ある日新菜は家のミシンが壊れたため、学校の被服実習室のミシンで雛人形の服を縫っていたところ、クラスメイトの陽キャ・喜多川海夢(まりん)にその姿を見られてしまう。2022年にテレビアニメ化。
絶体絶命のピンチを迎える新菜だが、海夢は彼がミシンを使えることを知って大興奮だ。そしておもむろに服を脱ぎ出し、制作途中だという衣装に着替えて感想を求める。そして憧れているアダルトゲームのキャラのコスプレ衣装を製作してほしいと新葉に懇願する。自分と真逆の世界の人間だと思っていた彼女に戸惑いをおぼえる新菜であったが、依頼を快諾。2週間かけて製作した衣装を着て、海夢はコスプレイベントに参加する。衣装づくりをする中で二人の距離は縮まるのであった。そしてSNSにアップされた海夢の姿を見た有名コスプレイヤーから衣装製作を依頼されるなど、図らずも新菜は衣装製作の道に足を踏み入れてゆく。本作はラブコメとして楽しめる一方、布選びや縫製・小物・ウィッグなどコスプレの奥深さを感じることができる。彼に好意を抱いた海夢のセクシーな誘惑にも要注目だ。
友情と性欲の狭間で揺れ動く男子大学生の葛藤を描いたキャンパスエロコメディ。主人公・宇治は平凡な大学生だ。同じサークルのモテ系美女・桜井に想いを寄せる宇治は、恋愛相談に女友達の「サバエ」こと鯖江とサシ飲みをすることに。相談に乗るフリをして大酒をくらうサバエに宇治は辟易していたが、ふとした瞬間彼女の胸の谷間に目を奪われてしまう。思いも寄らぬ巨乳に動揺を隠せない宇治であったが、彼の態度に気づいたサバエは大胆な行動に出る。
実は巨乳好きな宇治は、サバエの胸の谷間が見えるたびにムラムラしていた。それに気づいた彼女はわざと自分の胸がHカップあることや、終電を逃したことから家に泊まるよう彼を誘惑する。予期せぬ性欲に心が揺れ動く宇治だが、それは桜井への恋の終焉を意味していた。すんでのところでピンチを逃れた宇治は、その後もサバエと遊ぶたびに身体を密着されたり下ネタを振られたりとHな誘惑を受け続けることになる。まさにタイトル通り「ヤッたら終わる」状況に晒され続ける彼に、悲しい男の性(さが)を感じることができる。サバエは下ネタOKで大酒飲みの豪快なオヤジキャラというのも親しみやすさ満点だ。意外とお似合いな二人の距離がどのように縮まるか、今後の展開に注目したい。