梅の季節に「梅」の名のキャラはいかが漫画9 Pt.

本作に登場する名前に「梅」が入るキャラは、主人公の鈴川小梅だ。小梅は麻布で評判の洋食屋の娘。明るく朗らかな性格で、下ごしらえや給仕で家業を支えている。彼女が野球をするきっかけになったのは、親友の晶子である。晶子は、彼女の婚約者である岩崎荘介が「女性は表に出るべきではない」という考えを持っていることに腹を立て、野球少年の荘介を見返してやりたいと決意。そこで小梅を始めとした女学院の生徒たちに声をかけ、野球チームを結成してしまった。小梅もまったく野球を知らない素人であったが、仲間のために尽力。少女たちがチームとして成長していく姿が描かれる。

吉沢やすみの代表作である本作には、シャツに黄色いカエルが貼りついた姿でお馴染みの「ピョン吉」を始めとした、個性豊かなキャラたちが登場する。そんな中で今回のテーマである「梅」の名を冠するキャラは、「梅さん」こと佐川梅三郎だ。梅さんは、大きなあごとハチマキがトレードマークの名物キャラ。ひろしの家の近所にある寿司屋「宝寿司」の板前で、腕の良い職人だ。宝寿司の店主とつまらないことが原因でケンカをすることもあるが、内心ではお互いに認め合っている。そんな梅さんは、ひろしたちの通う学校で教師をしているヨシコ先生に恋しており、授業を覗きに来ることもある。美人であるヨシコ先生は、他の教師や生徒からも人気のマドンナ的存在。だが梅さんの一途な想いは、やがてヨシコ先生のハートを掴むのだった。

本作に登場する「梅」キャラクターは主人公である「ウメハラ」こと梅原大吾だ。彼は2010年に企業との契約を結んだ、実在するプロゲーマーである。本作は梅原や、彼と同様に実在の有名ゲームプレイヤー大貫晋也（通称ヌキ）たちをモデルとして、彼らの闘いの軌跡を描いている。物語の序盤は大貫をメインに、彼が初めて敗北を味わった強敵梅原に対する強いライバル心が描かれる。梅原に対しトラウマレベルの敗北を味わった大貫は、梅原に勝つことだけを目標に己の技巧を磨いていく。一方、一見クールな青年である梅原だが、その心の中は常に勝利への情熱を持っている。梅原は相手の技に冷静に対応し、さらにその上を行く技巧を生み出していくのだった。

本作に登場する「梅」の名前を持つキャラクターは、主人公の野崎梅太郎だ。ヒロインの千代や友人たちからはもっぱら苗字で呼ばれ、仕事関係の人からはペンネームの「夢野先生」と呼ばれるため、現役高校生ながら古風な「梅太郎」という名前はあまり作中に登場しない。名前を呼ばれないといっても友人が少ないわけではなく、物怖じしない態度や高身長で頼りがいがあることから、男子クラスメートからの人気は高い。だが一方、天然気味でデリカシーがないことや、ネタを求めるあまり奇行を行うため、女子からの評判はイマイチだ。そんな野崎は、学校行事や友人との会話中でも常に漫画のネタにならないかということばかり考えており、周囲から見れば丸わかりの千代の恋心にも気づかないままなのだった。

本作に登場する「梅」の名前を持つキャラクターは、主人公たち「ザ･チルドレン」の先輩に当たる梅枝ナオミだ。彼女も強力なエスパーであり、能力はレベル6の念動能力者（サイコキノ）。コードネームは「キティ・キャット」と呼ばれていたが、ある出来事から後に「ワイルド・キャット」と呼ばれることになる。エスパーとしても優秀なナオミだが、それだけでなく、品行方正で心優しい美少女であり、チルドレンたちとも仲が良い。だが彼女の指揮官である谷崎一郎は彼女を大切にするあまり、気持ち悪いほどの過干渉を行っていた。そのことがナオミにとって大変なストレスとなっており、能力を上手く扱えないというスランプに陥ってしまう。なお本作の主なキャラ名は古典文学『源氏物語』から命名されており、ナオミの苗字「梅枝」も『源氏物語』の巻名のひとつだ。