芸術の秋! 美術館に行きたくなる漫画45 Pt.

“芸術”をテーマに、美術品や芸術家が登場する漫画をピックアップ!

芸術の秋! 美術館に行きたくなる漫画

出典:小学館

“芸術の秋”をテーマに5作品をピックアップ! 芸術品や、それを作った芸術家たちにまつわる物語を特集。


作者・細野不二彦の代表作であるヒューマンドラマ。主人公・藤田玲司は、贋作専門の画廊“ギャラリーフェイク”のオーナーで、美術品に関する膨大な知識と天才的な修復技能を持っている。だが玲司は、盗品などの正規に扱えない“本物”を法外な値段で売る、裏社会で悪名高い画商でもあった。様々な美術品をめぐるバラエティ豊かな人間ドラマが、1話完結方式で描かれる。

主人公・藤田玲司は、“芸術”を誰よりも愛する男だ。そのため、美術品・工芸品はただ飾られるだけでなく、ふさわしい人間に使われるのが望ましいという持論をもっている。ゆえに、彼が認めた相手には信じられないほどの安価で譲り、一流の仕事をする人間には援助を惜しまず、迫害があれば力を尽くして守る。また、美術品が美術館や博物館で、展示されるだけの状態を望ましく思っていない。そして、美術品を愛する心や審美眼を持たず、私利私欲の道具と考える者に対しては、決して“本物”を渡さない。真なる“美”を追い求める男の人間ドラマだ。


彩井高校芸術科に通う女の子5人組の日常を描く、4コマ漫画。物語の舞台は、芸術家を志す生徒たちが集まる彩井高校の「GA」。GAとは、芸術科のアートデザイン専攻クラスのこと。そこの1年生である個性豊かな5人の女の子の日常を、美術に関するマニアックな解説を交えつつ、面白おかしく描いていく。

主人公・山口如月たちは、彩井学園工業大学附属彩井高校の生徒。彩井学園は中高大一貫の超大型校で、高校には芸術科のほか、普通科、工業科、衛生看護科がある。また芸術科は、美術全般をメインに学ぶ「芸術科Aクラス」と、音楽をメインに学ぶ「芸術科Bクラス」に分かれている。主人公・山口如月たち5人が通うのは、「G(芸術科)A(クラス)」という、ビジュアルやテキスタイル等のデザインについて勉強するクラス。個性的なキャラクターたちがさまざまな授業を受けたり、美術制作の中で友情を育んでいくとめもない日常が、鮮やかに描かれている。


主人公・リュウ・ソーゲンが復讐のために美術界の闇と戦うサスペンス・アクション。リュウは幼い頃に両親を惨殺され、フェルメールの絵画「レースを編む女」を奪われた。リュウは復讐のために様々な技術を磨きながら成長し、とあるオークションハウスのM・D(マネジメント・ディレクター)となった。そして、リュウの前に立ちはだかる美術界の「闇」に、戦いを挑んでいく。

主人公・リュウ・ソーゲンは、エドモンド・オリバー社というオークション・ハウスのM・D(マネジメント・ディレクター)。リュウは、世界的な美術鑑定人であり、一瞬で贋作を見抜く審美眼を有している。さらに、あらゆる技術に精通しており、贋作の技術や拳法の使い手としても超一流だ。メインテーマは“アート”としているが、他の小池一夫原作作品と同じく、ケレン味溢れる悪の組織たちが大勢登場する、爽快な男のアクション劇画だ。


“陶芸”が本作のテーマ。主人公・松本美咲は東京の大学で学生生活を送っていたが、陶芸家であった亡き父の遺志を継ぎ、陶芸家を志す。美咲は、陶芸において最高の美とされる、“緋”の景色(陶器の造形・模様・色味のこと)に魅せられ、それを目指して努力していく。続編として、『美咲の器─それからの緋が走る』がある。

主人公・美咲は、亡き父が目指していた“緋”の景色(陶器の造形・模様・色味のこと)に心を奪われ、父の遺志を継いで研鑽を重ねる。美咲が挑む数々の陶芸勝負や難題を通して、日常的に使われている陶器の製法や種類など、身近なようで知られていない陶芸の世界がわかりやすく描かれている。独特な機転と工夫で危機を乗り越えていく美咲の頑張りを楽しみながら、“陶芸”そのものにも興味が持てる作品となっている。


『ボルジア家の毒薬』

出典:小学館

実在の人物であるチェーザレ・ボルジアとその一家が辿った、凄まじい運命が描かれている作品。舞台は16世紀、ルネサンス末期のイタリア。法王の父を持ち、暴虐に振る舞うチェーザレ・ボルジアは、妹・ルクレティアの愛する人を殺してしまう。彼らの愛憎、そしてボルジア家の隆盛と没落を、レオナルド・ダ・ヴィンチが見届ける。

本作の主人公は、レオナルド・ダ・ヴィンチ。ルネサンス期の芸術家である。レオナルドは、「チェーザレの最も親しい友人」と評されている通り、本作でもチェーザレの友人として登場する。レオナルドは、チェーザレの妹・ルクレティアの肖像画制作を依頼され、ルクレツィアの美しさに惹かれながらも、彼女の内に秘められた愛憎に恐怖する。そして、あることをきっかけにあっけなく崩壊する、ボルジア家の最後を見届けていく。実在の人物や出来事を元にしつつも、作者のストーリーテリングの妙と繊細な絵柄が光る1作だ。


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