怖くない幽霊が登場するマンガ作品134 Pt.

幽霊や妖怪の登場するマンガを読むなら、怖さではなく可愛さや愛らしさを求めたい!!そんな怖くない幽霊や妖怪などが登場するマンガを7作品、ここに紹介!!

主人公「夏目貴志」が祖母の遺品である「友人帳」を引き継ぎ、妖怪や友人、「祓い屋」と呼ばれる特殊能力を持った人たちとの関わりを描いた人情物語。バトル物でも怪奇物でも謎解き物でもなく、人と人、人と妖との関係に重点が置かれており、心温まる話が多く盛り込まれている。そしてなんと言ってもこの作品を盛り上げているのが、いつも主人公のそばにいる「ニャンコ先生」だ。本来はかなり強い妖なのだが、わけあってでっぷりと太った猫の姿をしている。少女漫画らしい優しいタッチの絵柄は作品に入りやすく、妖怪にも親しみを感じる。

主人公「六道りんね」は高校に通いながら、この世に留まっている霊を除霊する仕事をしている。貧乏のため学校の部室を借りて生活しているが、「死神」としての能力は一級品。ヒロインでクラスメイトの「真宮桜」を始め、他にも多くの登場人物が登場し、ドタバタ喜劇として楽しめる作品になっている。幽霊が出てくるため必然的に「死」を取り扱うことになるが、コメディ色が強いため、ホラーが苦手な人にも読みやすいはずだ。主人公の親族や、あの世にある「死神界」など、それぞれの関係性をしっかりと抑えておくと、さらに楽しめる。

主人公で高校生の「四月一日君尋」は、両親を亡くしてからずっと一人暮らしをしていた。ある時、願いを叶える「ミセ」の女主人「壱原侑子」に出会い、「アヤカシ」に取り憑かれやすい自分の体質を治した対価として、「ミセ」での労働を求められる。この2人を中心として、摩訶不思議な出来事を解決していくオカルト系物語。「CLAMP」作品らしく美男美女が多数登場し、「アヤカシ」の造形にも美的センスが光る。悪霊や生霊など少しゾッとする話もあるが、それすらも洗練された描写が恐ろしさを凌駕してくれる。また他の「CLAMP」作品のキャラクターが作中に登場するのも見どころ。

主人公「墨村良守」は、妖を封印する能力を持つ「結界師」と呼ばれる一族の後継者。ヒロイン「雪村時音」の一族との確執と反目、他流派や組織間の争いも物語の軸になっている。基本的には妖を退治するアクション要素の高い物語であるが、徐々に「結界師」たちの争いにシフトしていき、先の読めない展開が面白い。少年漫画らしい熱い展開、リアルさや非情さなどもうまく織り交ぜており、幅広い年齢層が楽しめる作品になっている。癖のない絵も読みやすく、出てくる妖にも愛嬌がある。完結しているので全巻一気読みをお薦めしたい。

この作品の主人公「鬼灯」は、ちょっと頼りない地獄の「閻魔大王」を補佐する有能な「鬼神」。中間管理職としての主人公の仕事姿や、地獄ならではの仕事の内容、また世界観や他の職員たちとの関わりも面白く、実際に地獄はこのようになっているのではないかとすら思えてくる。歴史的文献や世界各国の伝記なども小ネタとして盛り込まれており、勉強になる内容も多い。現世の時事ネタまで盛り込んだクールなギャグ作品で、どんなに凶悪な悪霊でさえ主人公に軽々と打ちのめされる様は、読んでいて非常に爽快。この作品で地獄について学ぶことで、現世を正しく生きるための糧にしたい。

「六氷魔法律相談事務所」の所長である主人公「ムヒョ」が、助手の「ロージー」と共に「魔法律」で霊を成敗する魔法バトル物語。『週刊少年ジャンプ』らしい見開きの派手な「魔法執行」によるバトルシーンが見もので、その独創性に惹かれる。また絵柄には可愛さがあり、ハリウッドや洋風アニメを思わせる独特の雰囲気もあって、あまり怖さを感じない。新たな仲間やライバルが登場するなど王道展開ではあるものの、敵の倒し方には工夫が見られて面白い。

魔物に体を奪われたことで、体のほとんどを義肢で補う「百鬼丸」と、そんな彼を慕う少年「どろろ」。失った体を取り戻し、因縁・怨念から解き放たれる日を目指す彼らの冒険物語。通常、敵を倒して強くなるのがセオリーのバトルマンガだが、この作品では魔物を倒すことで自分の本来の体を取り戻していくため、その代償として義体に仕込んだ武器が無くなり、弱くなっていくという設定が斬新。先の展開が気になり、どんどん読み進めてしまう。「手塚治虫」作品らしい動きのある絵柄と、魔物より人間の方が怖いという深く重いテーマを、アクション物として上手くまとめている。