真鍋昌平の代表作。現代日本を舞台に、闇金融業者「カウカウファイナンス」の社長、丑嶋を中心に、金融業界の裏側を描いた作品。10日で5割という法外な利息で金を貸し付ける闇金業者と、そこに関わる債務者たちの人間模様が展開される。物語は、カウカウファイナンスで借金をする様々な人物を軸に進行し、サラリーマン、フリーター、風俗嬢、ホストなど多様な職業の債務者が登場。借金をきっかけに運命が変転していく過程が描かれる。また、中盤以降は敵対組織との抗争が激化し、丑嶋自身も危険な状況に巻き込まれていく。本作は、現代社会の金融問題や格差社会の実態を題材とした社会派サスペンス漫画である。闇金融業界の組織構造や取り立て手法、債務者の社会的背景などを詳細に描写し、日本社会の闇や、社会の底辺で生きる人々の姿をリアルに描き出している。小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」2004年24号から2019年14号まで連載。2011年に第56回「小学館漫画賞」一般向け部門、2020年に第23回「文化庁メディア芸術祭」マンガ部門ソーシャル・インパクト賞を受賞。2010年から2016年にかけ、3シーズンのテレビドラマ版が放送された他、2012年から2016年にかけ、実写映画が4作公開された。