熱い司法の世界を描く漫画31 Pt.

『逆転裁判 ～その「真実」、異議あり!～』テレビアニメSeason2放送中！　『逆転裁判』と同じく、一風変わった裁判や司法制度を描く漫画を大特集します！　事件の真実を暴き出す、熱い法廷・裁判を描く漫画をお楽しみください！

本作が描くのは「法廷バトル」。主人公・成歩堂龍一は弁護士だが、探偵の役割も果たし、自ら現場に赴いて事件の証拠や矛盾点を見つけ出す。そして、法廷でそれらを駆使し、依頼人（被告）の無実を信じて戦う。容疑者を犯人としたい検事と、熱い舌戦を繰り広げるのだ。法廷にはさらに、事件の目撃者も召喚される。成歩堂は、目撃者の発言や事件の記録から矛盾を見つけ出し、事件の真相を暴いていく。自らの思考を「逆転」して考え、依頼人である容疑者の「逆転」無罪を勝ち取る。

主人公・成田誠は、無実の罪を着せられた元・弁護士。自分の無実を証明するため、唯一成田が無罪であることを証言できる法律事務所の事務長・五十嵐充の行方を捜し始める。そのために、名前を変えて職を転々をしながら、逃亡生活を送る。成田は指名手配されて逃亡中の身でありながらも、困っている人を見かけたり、トラブルに巻き込まれた際には、持ち前の法律の知識を駆使して解決していく。本作の副題は「孤独と絶望の法律運用ドラマ」だ。いかなるピンチも法を駆使して切り抜けていく、成田の鬼気迫る姿に感動を覚えるサスペンスだ。

本作で描かれる裁判所は、向日葵市立天秤小学校6年3組の教室である。この物語の世界では「学級法廷制度」が実施されている。事件が起こったクラスには、国から「学級裁判」専門の弁護士と検事、裁判官が派遣され、学級裁判が開廷される。弁護士と検事は小学生、裁判官は幼稚園児が務める。ごっこ遊びではなく、しっかりと法的拘束力のある判決が下される。一番重い刑は、絶海の孤島に建てられた鬼ヶ島小学校への転校だ。荒唐無稽な設定だが、物語はシリアスに描かれており、真実を明るみに出すべく奮闘する、小学生弁護士の主人公・犬神暴狗の奮闘が描かれる。

本作の主人公の1人であり、ヒロインも兼ねる妭。彼女は、亡くなった父・閻魔大王の遺志を継ぎ、現世で悪さをする「鬼ノ怪」を地獄に送り返すため、現世にやってきた裁判官だ。妭の裁き方は、鬼ノ怪に取り憑かれた人間を「閻魔槌」で攻撃するという、バイオレンスなもの。だが、そんな裁きを下す妭は、八重歯がチャーミングでスレンダーな美少女だ。秩序と均等を重視する、とても生真面目な性格。妭が、主人公・たくあんの裸を見てしまった際には、「均等に恥をかく」ため、自身の裸をたくあんに見せようとした。そんな妭と平穏な日常を愛するたくあんの、テンポの良いボケとツッコミが楽しい。怪奇あふれるコメディだ。

本作の舞台は、裁判所だ。そこで行われる様々な裁判の模様が、傍聴にハマった主人公・北尾太郎の目を通して描かれる。本作が取り上げるのは、殺人・暴力・詐欺・離婚・DVなど、様々な裁判だ。法廷では、赤の他人の人生が赤裸々にされ、それについて論理的に議論をする弁護士・検事の舌戦が繰り広げられる。時には被告に怒り、時には同情するといった、独特のかけひきが展開されるのだ。この、他では得られない感覚を味わいたくて、北尾は足繁く傍聴に通い、リアルな人間ドラマに心を奪われていく。傍聴席から見える様々な事件や人間ドラマの真相を、本作でぜひ目撃してほしい。