男ふたりが活躍するストーリーのマンガ65 Pt.

男ふたりがメインのマンガは少女たちのラブストーリーなどにはない魅力があり、どれも引き込まれてしまう。それぞれに違った男同士の物語があるマンガ作品を紹介する。

物語の舞台は江戸時代。「宗次」と「弁蔵」は盗賊業で名を上げようと、江戸や大坂をめぐる。とはいえ賊らしく喧嘩っ早くて荒くれ者の「弁蔵」と、冷静で時には無慈悲な「宗次」の性格は正反対。それでも互いにバランスをとりつつ後に一味を設立し、ふたりのお頭として歩みを進める。たまにそのバランスが崩れすれ違ったりするもどかしさもありながら、江戸の賊としてのふたりの男の生き様が魅力的である。

現代の下界にバカンスにやってきた「イエス」と「ブッダ」。そんな彼らが立川の風呂なし安アパートで、東京の日々を満喫するまったりコメディ。現実には決して出会うことのなかったふたりが織りなすキリスト教と仏教の混合技によるギャグは、ためになるようなならないような……。マンガならではの脱力系エンターテインメントである。こんなふたりならぜひ会ってみたい、あまりにも有名すぎる男ふたりの日常ライフ。

高校生の「相馬光也」はひょんなことから、曾祖父が若い頃を過ごした大正時代へタイムスリップしてしまう。そこで出会った「春日仁」とはどうやらただならぬ関係のようで、「仁」自身も謎の多い青年。彼を救えなかったことを悔いていた当時の曽祖父は消え、「光也」がこの時代の曾祖父として暮らすことに。「光也」と「仁」は友情を深めていくが、同時に謎めいた事象も進行してゆく。ふたりの男の絆に心を揺さぶられるファンタジー作品だ。

同作者のマンガ『WILD ADAPTER』のパロディ作品で、「久保田誠人」と「時任稔」のふたりの主人公が破天荒な学園生活を繰り広げるストーリー。「私立荒磯高等学校」の「執行部」のトップである彼らは、暴力には更なる暴力などで対抗するムチャクチャなやり方で校内の治安を守る。お茶目なやりとりやBLに間違われがちな危ないシーンも相変わらず。男ふたりのカッコよくてちょっと危険な学園ストーリーをぜひご覧あれ。

「奪われたものは奪い返す」をモットーに「奪還屋」を営む「美堂蛮」と「天野銀次」が、裏社会で様々なバトルを繰り広げる。単細胞で熱血漢、発電能力を生かして戦う「銀次」と、「邪眼」の能力を巧みに駆使し冷静に相手を追い詰める「蛮」。そんな彼らの確かな絆が魅力だ。人間離れした登場人物たちと裏社会ならではの恐ろしさがふんだんに盛り込まれ、肉弾戦のみならず知略に富んだ知能戦も見どころ。

インターネット上で「よろず屋」を経営する「志摩義経」と、彼に依頼をしたことがきっかけで一緒に働くことになる人気モデル「駿河香」。互いにトラウマを抱えるふたりが出会い、過去と邂逅することで、複雑な人間関係と感情の連鎖へと繋がる。一連のストーリーを通じて、それぞれに行き場のない思いの落とし所を見つけるふたりの男の奮闘ぶりに、こちらもハラハラさせられる。