ヤマザキマリの代表作の一つ。古代ローマ帝国のハドリアヌス帝時代が舞台。浴場設計技師のルシウスが、現代日本にタイムスリップし、その風呂文化をヒントに斬新な浴場を設計する物語。伝統的な浴場設計にこだわり、時代の変化に適応できずに職を失ったルシウスが、友人に誘われて訪れた公衆浴場で突然現代日本の銭湯にタイムスリップすることから物語が展開する。本作は、古代ローマと現代日本の風呂を行き来する浴場設計技師を描いたタイムスリップコメディである。両時代の浴場文化の違いをコミカルに描写する点が特徴で、1話完結形式を基本としながら、全体を通して主人公の成長と家族関係の修復が描かれる。エンターブレイン「月刊コミックビーム」2008年2月号から2013年4月号まで連載。2010年に第14回「手塚治虫文化賞」短編賞、第3回「マンガ大賞」大賞、「このマンガがすごい!2011」オトコ編第2位を受賞。2011年には、第6回「全国書店員が選んだおすすめコミック2011」で第3位に選出された。2012年1月にテレビアニメが放送された他、2012年と2014年に実写映画が公開された。