血は繋がっていないけれど家族として共に育ってきた中学生・松浦立夏(りっか)と小石川朔(さく)の複雑すぎる恋模様が中心のラブコメディ。前作『ママレード・ボーイ』の13年後を舞台にした本作の主人公は、前作主人公・小石川光希(みき)と松浦遊(ゆう)の弟妹である朔と立夏だ。立夏は桐稜大学付属中学に通う中学1年生。同い年の朔とは一つ屋根の下、家族のように育ってきた。しかし、ずっと弟分だと思っていた朔から、一人の女の子として好きだと宣言されて立夏は戸惑う。
『ママレード・ボーイ』は、1994年にテレビアニメ化、2018年には実写映画化もされた大人気少女漫画。お互いの両親が離婚し、互いのパートナーを入れ替えて再婚したことから、血は繋がっていないけれど家族として同居することになった小石川光希と松浦遊の恋を描いたラブコメディだ。最終回の13年後の人間模様を描いた本作では、困難を乗り越えて結ばれた光希と遊もすっかり大人になって実家を離れ独立している。光希と遊の弟妹として誕生した朔と立夏は共に中学生となり、光希の母校・桐稜大学付属中学に通っている。前作のファンにとっては、懐かしい場所や顔ぶれが登場。立夏と朔のラブストーリーと共に、光希と遊のカップルのその後も描かれるので、前作からのファンにとっても楽しく読めるだろう。
『君に届け』の主人公・黒沼爽子(さわこ)の恋のライバルとして登場した胡桃沢梅(くるみざわうめ)が主人公のラブストーリー。『君に届け』の登場人物たちのその後の姿を描いた番外編が本作だ。爽子と同じ大学に進学した梅だが、爽子とは今ではすっかり親友となり、キャンパスライフを共に楽しんでいる。ある日、友人の誘いで気乗りしない合コンに参加することになった梅と爽子は、おかしな男に絡まれてしまう。そこに偶然、爽子の従兄・赤星(あかほし)栄治が通りかかる。
暗い雰囲気のせいで誤解され、周囲から敬遠されてしまう高校生・黒沼爽子の恋と成長を描き少女漫画の新たな金字塔となった前作『君に届け』全30巻。2017年に最終回を迎えたが、翌年には番外編にあたる本作がスタート。地元を離れ、爽子と同じ札幌の大学に進学した梅が主人公だ。前作で爽子の想い人・風早(かぜはや)翔太を巡るライバルとして登場した梅だったが、爽子の人柄にふれる中で関係を深め、高校を卒業する頃には親友と呼べる間柄に。本作でも、毎日のように爽子の一人暮らしの部屋で過ごしている様子が描かれている。そんな梅が主人公とあって、本作では爽子と風早の現在も垣間見られる。前作のファンも、爽子らがそれぞれに成長していく姿が見られて嬉しくなるだろう。
自分に自信がもてない高校生・三苫彩葉(みとまさわ)が、草摩(そうま)家の人々との出会いを通じて成長していく学園ラブコメディ。前作『フルーツバスケット』の登場人物たちの子供世代が活躍する。海原高校1年生の彩葉は、家に寄りつかず自分を顧みない母との関係や幼い頃の友人関係から人と関わることがとても苦手だ。しかし、入学早々遅刻して困っていたところを、不思議な雰囲気の美少年・草摩睦生(むつき)に助けられる。そして睦生は、彼が副会長を務める生徒会に彩葉を誘う。
天涯孤独の少女・本田透(とおる)と、十二支の呪いにかけられた一族・草摩家の人々との心の交流を描いた前作『フルーツバスケット』。異性に抱き着かれると獣に変身してしまうという、呪いによる特異体質をもって生まれ、それぞれに苦悩を抱えていた草摩家の面々を、自らも困難な生い立ちながら、類まれな優しさをもつ透の存在が癒していく。2019年に2度目のテレビアニメ化。本作は『フルーツバスケット』に登場した人気キャラクターたちの子供世代の物語とあるので、誰が誰の子供かと予想しながら読むのも楽しいだろう。主人公・彩葉が通うのは透が通ったのと同じ海原高校。読者にとってはお馴染みの制服姿に、前作のキャラクターと似た面差しを宿した登場人物が続々と登場する。
セレブの子女ばかりが通う英徳学園を舞台に、身分違いの恋を描く学園ラブコメディ。前作『花より男子』で英徳学園を仕切っていたチーム「F4」の面々が卒業してから2年後を描く。名門として名をはせた英徳学園は、今やライバル校・桃乃園学院におされ気味となっていた。主人公・神楽木晴(かぐらぎはると)は、英徳学園の品位を保つため学園内自治組織・コレクト5を結成、「庶民狩り」を始める。そんな矢先、晴は、家が貧乏なのを隠して学園に通う少女・江戸川音(えどがわおと)にある秘密を握られてしまう。
平成を代表する最強ラブコメディとして、実写ドラマ化、テレビアニメ化もされた『花より男子』。セレブの子女ばかりが集まる英徳学園に入学することになってしまった庶民の高校生・牧野つくしと、家柄、容姿ともに非の打ち所がない男子の4人組で結成されたF4のリーダー・道明寺司(どうみょうじつかさ)の恋と成長を描いた作品だ。学園のカリスマ・道明寺をはじめ、個性豊かなイケメンが揃ったF4に夢中になった読者も多いだろう。嬉しいことに、本作にも花沢類や、西門(にしかど)総二郎といったF4のメンバーが登場。コレクト5の立場と庶民である音への想いの間で揺れる晴に彼らはアドバイスを与えている。財閥御曹司である晴の金持ちっぷりと、それを歯牙にもかけない音とのやりとりも前作同様に楽しく、読後は爽快感たっぷりだ。
バンドのボーカルを探す高校生・月見野星歌(つきみのせいか)が、スーパーイケボの持ち主の声優と恋に落ちる芸能界サクセスラブストーリー。『快感フレーズ』に登場した人気ロックバンドのボーカル・大河内咲也(おおこうちさくや)に続く次世代の活躍を描く。星歌は、ヘアメイクが得意な高校生。世界的人気ボーカリスト・大河内咲也プロデュースのオーディションを受けるため、自分たちのバンド・ルナエクリプスのボーカルを探していた。そんなある日、マスク姿の無口な転校生・水木真音(まおと)の声を聞き衝撃を受ける。
『快感フレーズ』は、カリスマ的な人気を誇るボーカリスト・大河内咲也と、普通の高校生・雪村愛音(あいね)が恋に落ちるドラマチックなラブストーリー。偶然の事故から、愛音と出会った咲也は彼女の作詞の才能を見出し、陰謀うずまく芸能界で愛音と共に頂点に上りつめていく。咲也が自らのバンド・ルシファー(のちのリュシフェル)の世界観にあわせて愛音に依頼したのが「エッチな歌詞」だったという設定と、セクシーで魅力的な絵柄もあいまって多くの読者が夢中になった。本作では、咲也がプロデューサーとして登場。前作と変わらぬカリスマ性を見せつけている。声優としてこれからを期待される真音が、ボーカリストとしても開花していく様が、彼の才能にいち早く気づいた星歌の切ない恋心と共に描かれていく。