謎の転校生が繰り広げる戦いを描いた、バトルコメディ漫画。滝沢昇は親の都合で各地を転々としている高校生。昇はとある高校へ転校してきた。先生の指示で遅く登校した昇の前に、週番の金沢が遅刻だといって立ちはだかる。昇は舌戦と武力で金沢を押し切り、遅刻してきた高村友花里と共に無事に登校するのだった。続編『炎の転校生 REBORN』が2017年WEBドラマ化。
本作は風変わりな転校生である昇が、学校を舞台に巻き起こすバトルをコメディタッチで描いている。親の都合で転校を繰り返している昇には、行く先々の学校で次々と問題を起こしているという噂が広がっていた。しかしその実態は、昇の父で「秘密教育委員会」の一員でもある滝沢昇一が、息子の驚異的な身体能力と性格を利用して、問題を抱えた学校から悪を排除するために昇を転校生として送り込んでいたのだ。父の思惑など知らずに学園でのバトルに巻き込まれていく昇。その戦いの最中、父、昇一は重傷を負ってしまう。昇は「秘密教育委員会」からコードネーム「炎の転校生」として父の代理を任命される。そんな昇に「裏の教育委員」たちは最強の刺客「ブラック滝沢」を送り込む。
弱小野球部が廃部撤回を求めて甲子園優勝を目指すスポーツコメディ漫画。全力学園の野球部は地区大会のベスト4にも入ったことのない弱小チーム。ある日、校長から廃部を言い渡されたキャプテン、不屈闘志は、この逆境を乗り越えるために「甲子園優勝」という大風呂敷を広げてみせるのだった。そして彼らは奇跡を起こす。2005年実写映画化。
本作は高校野球を題材にしているが、スポ根漫画ではなく常識外れの展開が満載のコメディ漫画だ。廃部を言い渡された主人公の不屈は、それを撤回させるために「甲子園優勝」という大風呂敷を広げた。そのためにまずは10日後の練習試合で春の甲子園ベスト8の日の出商業を倒すと宣言。当然、部員たちは「無理だ」と投げかけるが、不屈は諦めない。ひとり、またひとりと部員が脱落する中、とんでもない奇跡が起きる。悪天候を考慮して日の出商業が不戦敗で試合を辞退したのだ。不屈らは日の出商業に「勝った」と吹聴して部は存続。しかしその後、地区予選の決勝戦で彼らは最大の逆境を迎える。初回に打球を受けて気絶した不屈が目を覚ますと、試合はすでに9回表、しかも100点以上の大差で負けていたのだった。不屈は奇跡の大逆転へと挑む。
締め切りと闘う漫画家、炎尾燃(ほのおもゆる)を描いたコメディ漫画。『燃えよペン』の続編だが、主人公以外の登場人物は一新されている。「炎プロダクション」の炎尾は月間連載2本、隔週連載1本を受け持つ人気漫画家。度重なるトラブルや編集側の無理難題、アシスタントたちの悩みなどを持ち前の熱血と根性で乗り越えていく。そんな炎尾の前に新たな仲間やライバルが現れる。続編に「新吼えろペン」がある。
漫画家を題材にした本作で、主人公の炎尾のエピソードには島本自身の実体験が多く反映されている。この作品を一躍話題にした要因のひとつが、主人公である炎尾のライバル漫画家として登場する「富士鷹ジュビロ」というキャラだ。このキャラのモデルは島本の友人であり『うしおととら』や『からくりサーカス』などで知られる漫画家、藤田和日郎である。ピエロの鼻を付けた強烈な外見と言動で話題になり、初登場の8巻以降準レギュラー化している。藤田側もこのパロディを了承しており、本作の帯に富士鷹ジュビロのコスプレ姿で登場している。また作中作である『からぶりサービス』という漫画は、藤田の画風を高レベルで模倣していることでも話題となった。
漫画家を目指す青年の挫折と奮闘を描いた青春コメディ漫画。1980年代初頭、大作家芸術大学の学生、焔燃(ほのおもゆる)は、漫画家になることを志していた。だが燃は才能溢れる同級生や天才的な若手漫画家の台頭で挫折を覚える。それでも彼は漫画家を目指す。第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第60回小学館漫画賞受賞。2014年TVドラマ化。
主人公の燃は島本自身がモデルとなっており、自叙伝的作品でもある。大作家芸術大学(実在の大阪芸術大学がモデル)に通う学生である燃は、さまざまな漫画を読んでは自分の方が才能に溢れていて、近い内に名のある漫画家になると思っている。しかしそんな燃の前に、才能溢れる同級生たちが現れる。さらに高橋留美子やあだち充といった天才若手漫画家が台頭してきていた。本作では最初に「フィクション」だと断りを入れているが、実在する漫画家やクリエーターを実名で数多く登場させている。さらに燃がそんな彼らに対して暴言を吐くことも。連載100回記念では本作で登場した作家陣からの叱責(激励)の『アオイホノオ被害者の会』という特集が組まれた。
未来の世界を舞台に描かれる社会人ヒーロー漫画。時は2XXX年、とある会社は人々を助け、収益を上げていた。その名は「株式会社ヒーローカンパニー」。かつて父がヒーローをしていたアマノ・ギンガは正義感の強い青年で、自身もヒーローになるべく入社を目指す。そして面接日当日、会社へ向かうギンガの周囲に予期せぬトラブルが連発する。
本作は「ヒーロー」が職業として成立した世界を舞台に描かれる近未来SF作品。主人公のギンガは熱血で正義感の強い性格。ヒーローだった父を尊敬しており、幼い頃から人助けをすることに熱心であった。念願叶って一次試験を合格したギンガは、ヒーローカンパニーの面接に向かう。その試験は時間厳守であったが、ギンガが会社に向かう途中でさまざまな犯罪行為が勃発。正義感が強く見過ごせないギンガはトラブルを何とか解決しながらも会社に向かおうとするが、それは先輩社員たちの仕掛けた罠だった。その後、からくも入社試験に合格したギンガは、新人研修でマスクマン「デザートファイブ」となっていきなり実戦に臨む。だがそんなギンガにさらなる危機が迫っていた。