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最も身近な妖怪…?「河童(カッパ)」が活躍する漫画オススメ5選!33 Pt.

鬼や天狗などと並び、知名度の高い「河童」。伝承では、危険な一面が語られているものの、きゅうりや相撲が好きで好色と、どこか抜けていて憎めない妖怪だ。そんな河童が登場する作品を今回は紹介する。個性豊かな彼らの活躍をぜひ楽しんでほしい。

最も身近な妖怪…?「河童(カッパ)」が活躍する漫画オススメ5選!

出典:集英社


『河童レボリューション~踊れ!カッパステップ~』

『河童レボリューション~踊れ!カッパステップ~』

出典:集英社

少年と居候の河童との愉快な日々を描いた妖怪ギャグ漫画。動物好きの少年マサシは、「生き物クラブ」で飼育していた金魚を死なせてしまい、埋葬のために池のほとりを掘り返していた。そんなとき、冬眠していた河童のヒロボガバヌーピ(ヒロ坊)とサユリの兄妹の頭の皿をスコップでつついてしまう。冬眠の途中で起こされたために、怒り心頭のヒロ坊は冬の間マサシの家に住まわせるよう要求。結局押しの強いヒロ坊に根負けし、河童の兄妹とマサシ一家の生活が始まるのであった。

小学生のマサシとヒロ坊たち河童のドタバタの共同生活が楽しい本作。ヒロ坊をことあるごとに追い出そうとするマサシの両親は、マサシと打って変わって強気な性格。そんなマサシ一家の家に、鋭い歯の邪悪な外見のヒロ坊と兄とは異なり可愛らしい外見のサユリの他、ヒロ坊のお母んなども居候に加わりドタバタ展開に磨きがかかる。普通の生活を送っていたマサシの周囲が、ヒロ坊と両親のバトルや、テレビの突撃取材などで、非日常に侵食されていく様子が不憫でもあり可笑しくもある。ヒロ坊に限らず、周囲のキャラクターがほぼツッコミどころ満載なため、マサシのツッコミ力が磨かれていくのも楽しい。ただヒロ坊とマサシの友情がそれほど育まれることなく終了してしまったのが残念といえば残念であった。


『水のともだちカッパーマン』

『水のともだちカッパーマン』

出典:集英社

河童の父と人間の母との間に生まれた主人公が、居候先の少女らと巻き起こす社会派妖怪ギャグ漫画。人間と河童のハーフである河太郎。彼は河童である父の遺言により人間として暮らし、生き別れた母親を探す旅をしている。そんな中、旅の途中で妖怪研究が趣味の霊感少女・金剛寺舞と出会う。河太郎は舞の誘いで、彼女の実家であるお寺「金剛寺」で暮らすことになる。そんな河太郎のもとに妖怪絡みの事件が次々と舞い込んでくるのであった。

生き別れの母親を探す河太郎が、妖怪絡みの事件に遭遇し、妖怪退治を行う展開で進む本作。作品途中より、シリアスなSF要素も増していき、終盤には宇宙人と妖怪たちとの、地球の存亡をかけた戦いという壮大な展開へとシフトしていく。作者の得意とする、お色気や下ネタなども多数登場するが、代表作『ジャングルの王者ターちゃん』にも通底する環境への問題提起も作品中にしばしば登場する「社会派」ギャグ漫画である。ダイオキシン汚染などの環境問題をいち早く取り上げた作者の着眼点は確かなものだろう。また、当初は研究材料として河太郎に関心を寄せていた舞と、河太郎の異種族間の悲恋も見逃せない。シリアスとギャグの対比が素晴らしい作品だ。


『カッパの飼い方』

『カッパの飼い方』

出典:集英社

高度経済成長を終えた昭和40年代を舞台に、世のブームにより河童を飼うこととなった主人公の日々を描いた、日常河童漫画。河童と人間が共存する世界。かつては野生の河童も多くいたのだが、今はペットとしての飼育が密かなブームになっていた。そんな中、都会で一人暮らしをする「私」と仔河童の「かぁたん」との日常を描いている。実家で暮らす河童の「カータン」との思い出も交えつつ、かぁたんの飼育やしつけなどに「私」は奮闘する。2004年にテレビアニメ化。

本作での河童の飼育の様子は「飼い方」というより育児に近い描写がされる。犬よりも人間に近い知能を持つとされる仔河童たちの行動も、人間の幼児と似通っており、育児の経験者ならば頷ける部分も多いかもしれない。河童の飼育という、空想上の世界観ではあるものの、登場人物らの日常生活は、実際のそれとほぼ変わらず、リアリティのあるものとなっている。また、主人公である「私」をはじめ、人間のキャラクターは顔が描かれないのも特徴で、あくまで河童の飼育という「手記」の様相を呈している。そんな「私」と、かぁたんの共同生活をつづった本作。多作であり、さまざまなジャンルに挑戦し続けている作者の冒険的な一作であり代表作の1つでもある。


『西向きマイルーム』

『西向きマイルーム』

出典:小学館

三蔵法師の生まれ変わりとされる女性絵本作家と、猪八戒・沙悟浄のおっさん2人の共同生活を描いた非日常コメディ。駆け出しの絵本作家である・三蔵法子(みくらのりこ)。引っ越し先のアパートには、「西遊記」の登場人物である猪八戒、沙悟浄が住んでいた。2人によると、三蔵法師の生まれ変わりだという法子は、「81難」、つまり81個の困難を乗り越えなければならない運命。その困難から法子を救うのが猪八戒・沙悟浄の役目であるのだという。そんな3人のドタバタ共同生活が始まる。

本作でも触れられているが、本来の沙悟浄は僧形の水の妖怪ではあるが、河童ではない。河童のイメージで語られるようになったのは、日本に入ってきてからで主に児童文学の影響によるものだ。もう1つ述べれば、日本での細身で長身のイメージは、1978年のドラマ「西遊記」の俳優によるものといわれる。そんな、本作ではただのおっさんである悟浄と、色欲が強すぎて天界から落とされたという八戒の2人と、法子との濃すぎる共同生活が描かれる本作。当初、天竺を目指すはずだったのだが、結局毎回グータラな日常を送ってしまう。設定の奇抜さと、その設定をして単に日常生活を送るだけの展開のギャップが楽しい。読み味でいうと中村光の『聖☆おにいさん』が近いかもしれない。非日常系日常ギャグの佳作だ。


『波打際のむろみさん』

『波打際のむろみさん』

出典:講談社

人魚を釣ってしまう少年と、釣られてしまう人魚との交流を中心に描いたギャグコメディ。高校生の向島拓朗(むこうじまたくろう)は暇さえあれば、釣りをしている毎日。そんなある日、いつものように釣りをしていた彼は、博多弁の人魚「むろみさん」を釣ってしまい、拓朗とむろみは徐々に親交を深めていく。そして、むろみの人魚仲間や、人外の存在である生物などと、拓朗のクラスメイトらも加わり、交流していくこととなる。2013年にテレビアニメ化。

本作に登場する河童といえば、「川端くん」だ。兄が人間に拉致されて大阪の瑞龍寺(龍・人魚のミイラでも有名)にミイラとして所蔵されていることから人間不信気味である。むろみの友だちでもある彼は、前述の理由により、当初拓朗を嫌っていたが、むろみを介して徐々に親交を深める。河童の伝承でしばしば登場する「河童の妙薬」的なものを作るなど学者肌な部分もある。そういった個性豊かな人外の生物が多数登場する本作。河童以外にも、リヴァイアサンの「リヴァイアさん」や、ツチノコの「宝満さん」など、たくさんの架空の生物が登場し、日常を彩る。そんな彼らの交流を描いた本作。日常系のいわゆる「ゆるふわ」系作品の傑作である。


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