「美味しんぼ」「クッキングパパ」など、マンガの中でも重要なジャンルとして確立している料理マンガ。今回はその中でも日常や家族の食卓をテーマに描く料理マンガを10選紹介していく。
家族や大切な人とのひとときは、やっぱり一緒にウチご飯!派手さはないけど「あったかい」日常のお料理を描いた料理マンガを紹介!
出典:Amazon.co.jp
「美味しんぼ」「クッキングパパ」など、マンガの中でも重要なジャンルとして確立している料理マンガ。今回はその中でも日常や家族の食卓をテーマに描く料理マンガを10選紹介していく。
2014年から月刊コミック@バンチにて連載。突然元カノから子供を預かる事になった整体師「千石」と子供を引き取って妻と離婚した漫画編集者「晴海」。二人のシングルファザーがひょんなことから互いにルームシェアで子育てすることになり、慣れない手料理と子育てに奮闘する日常を描く。少し口の悪いヤンキー風の「千石」と優しいが少し気弱なサラリーマンの「晴海」が、互いに不器用ながら父親として子供の成長と向き合い、偶然通うことになった料理教室を通じて周囲の人々とも絆を深めていく日常や少しずつ料理を通じて子供と心を通わせていく様子がとても微笑ましい作品。料理は「カレー」「玉子焼き」「肉じゃが」など初心者でも簡単にできる料理のコツを一話ごとに必ず紹介している。男親のルームシェアという新しい設定ならではの子育て問題も交えながら、互いに性格が正反対の「千石」と「晴海」が料理を通じて深める子供達との絆はとても微笑ましく、今どきの家族の幸せを改めて感じる料理マンガだ。
2015年より「月刊コミック電撃大王」にて連載。父の再婚により、突然互いに姉妹として同居することになった高校生「サチ」と「あやり」。料理や家事は全く未経験の「サチ」と真面目で無口だが料理上手な「あやり」が少しずつ二人だけの日常を送りながら、料理を通じてお互いの仲を深めていく日々を一話完結形式で描いている。料理には簡単にできる家庭料理から「生ハム」「マカロン」のようなお洒落なものまで紹介しており、話数の最後には料理マンガ研究家の解説付きレシピも掲載している。また料理好きの「あやり」が時折繰り出す凝った調理アイテム(実際に使われているもの)も魅力の一つ。料理は出来ないが素直で明るい「サチ」と顔に出せないが姉のことが大好きな「あやり」の初々しい日常のやりとりは毎回癒される。進路や友達関係など高校生らしい悩みも「ウチごはん」と一緒に過ごしていく、とても優しい料理マンガだ。
1985年にモーニングKCより連載。主人公「荒岩 一味(あらいわ かずみ)」は普段仕事をバリバリこなす一介のサラリーマンだが、料理の腕はプロ級。家庭や職場など様々な人間関係の中で料理を奮う料理・グルメマンガ。仕事に情熱を持ちながら、家では良きパパとして家族を大切にする「荒岩 一味」が毎回作る家庭料理は、今もレシピ本が作られるほど料理アイデアが豊富。また主人公だけでなく登場する各キャラクターが知恵を絞って作るエピソードも多数あるため料理の幅はとても広く、全国各地のグルメやご当地料理も紹介している。連載開始から20年以上続く長期連載作品のため時代の世相を反映した内容や社会問題も取り上げることもあるが、主人公「荒岩 一味」と家族の絆・誰にでもある平凡な日常の中の楽しさや人生の様々なシーンで織りなす人情話は連載当初変わらず描かれ続けている。日本の食卓を庶民目線で描く料理マンガの不朽の名作だ。
大学進学を機に東京都足立区北千住に引っ越してきた大学生「山田文子」(通称「ブン」)が、生活の合間に自炊する様子を描く料理マンガ。陽気な性格なのに人見知りで、性格もぼんやりしているが食べる事には異常なまでのこだわりを見せる「ブン」が繰り出す料理は、「空き缶ご飯」「変身サンドイッチ」など、個性的ながら必ず一度試してみたくなるものが多い。美術系に進学したものの、特に何の目的もなく入ったため、自身の人生に迷っていた人見知りの「ブン」はアルバイトを決意するも、自身の勘違いから人見知りにも関わらず喫茶店「山茶花」でアルバイトをすることになる。そこで出会う様々な人々を通じて自分の人生を見つけていく「ブン」の変化と、料理を底抜けに楽しむ「ブン」に元気づけられる人々が主なテーマながら、「ブン」の料理らしいマメ知識は役立つものばかりで、それを心から楽しんで実践する「ブン」はとてもカワイイ。見知りゆえの苦労も含めて、どこか見守っていたくなる作品だ。
偏食家のキャリアウーマン「江田マキ」と、「ゲイ」で「ベジタリアン」の「片山渚」の日々を描いた料理マンガ。男運ゼロの独身女子とイケメンだが「ゲイ」で「菜食男子」の同居生活という一風変わった設定で、公式でのジャンルは「食ライフラブコメディ」。作中で紹介されるレシピは、家庭の事情で野菜嫌いになった「マキ」に菜食男子である「渚」が作中で振る舞う素材を活かしたベジタリアンなメニューがメインで、お洒落だけど家でも手軽にできるメニューは野菜嫌いにこそ一度挑戦してみる価値あり。男運はないが日々仕事に体当たりで挑む「マキ」と少し俺様気質だがどこか繊細な「渚」が、奇妙な同居生活を通じて少しずつお互いの過去や親子関係とも向き合い、料理を通じて少しずつ関係も変化していくラブコメ的展開も見逃せない魅力。オシャレなベジタリアンレシピと合わせて一読の価値ありの一冊だ。
2013年より「!アフタヌーン」にて連載。料理が全く出来ない父親「犬塚公平」が娘の為に日々手料理を覚えながら奮闘する姿と、娘「つむぎ」が手料理を通じて様々な人と出会い成長していく様子を描いた日常系料理マンガ。主人公の父娘が全く料理のできない所から始まる本作は、土鍋での「炊飯」から始まり、「ハンバーグ」「唐揚げ」「カレー」などとてもポピュラーな料理から丁寧なレシピとイラストで紹介しているため、特に料理初心者に優しいマンガ。また犬塚父娘が一緒に料理をする料理教室の一人娘「飯田ことり」(料理初心者)が、母親と食べた思い出を頼りに様々な家庭料理に挑戦していく姿もとても微笑ましい。
また作品の端々に描かれる娘「つむぎ」の料理を食べる際の多彩(?)なリアクションにも毎回癒やされる。巻が進むに連れて成長していく「つむぎ」と父「公平」の親子の絆が料理を通じて少しずつ周りを幸せにしていく、ほのぼのとした料理マンガだ。
2010年に「kiss」にて連載。母の入院を機に家族の為、少しずつ料理に目覚めていく男子高校生「律」とその人間模様を描いた作品。父親の三回忌の後、母親の突然の入院によって一手に姉弟の面倒を見ることになった「早川 律(はやかわ りつ)」は、姉弟を支えるため、同じクラスだった「倉科 夕子(くらしな ゆうこ)」から貰った「かつぶし」をきっかけに食事を用意することなる。次第に料理に目覚めていく「律」の周りでは、弟の「調(しらべ)」や妹「奏(かなで)」の恋愛模様を始め、様々な登場人物が恋愛や進路・友達関係など日々の問題が次々巻き起こっていくストーリー。料理描写の他にも、周囲の人々の恋愛模様や家族関係など、周囲の人間が抱える問題や悩みを、料理男子「律」が一つ一つ料理を通じて関わり、絆を深めていく。コミックスの巻末には「律」の作った料理のレシピも掲載。恋や進路といった多感な悩みを、「律」の「おいしい」が繋ぐ優しい物語だ。
2013年より「講談社コミックスプラス」より連載。「朝食」をテーマにした料理マンガ。イタリアンの厨房で働く主人公「日高元27歳は、13歳の時両親の離婚で朝ごはんに困っていた所を救ってもらった食堂「アサメシマエ」の閉店を知り、店を継ぎたいと店主の娘「早夜子」を説得する。はじめは突き返されるものの、朝ごはんの意味を改めて見つめ直し、なんとか「早夜子」を説き伏せ「アサメシマエ」を再開する。家庭でも出来る手軽な一品料理から、「手づくり西京漬け」「手作りソーセージ」といった一度はやってみたくなる手作り料理も多数紹介していて、詳細なレシピも見どころ。食堂「アサメシマエ」を通じて様々な人間が「日高」の元を訪れ、其々が抱える悩みや人間模様を「朝めし」を通じて深めていくオムニバス形式の物語は、爽やかで一つ一つが元気が出る話が多い。定食屋が舞台だが、あくまで家庭的で一人一人を大切にする優しい「朝食」マンガだ。
2009年より「コミックフラッパー」にて連載。真面目だが空気の読めない31歳のオーバードクター「高杉温巳(たかすぎ はるみ)」と親を亡くした従妹の「久留里(くるり)」が一つ屋根の下で「お弁当」を通じて少しずつ家族としての絆を深めていく姿を描く。本作は料理だけでなく「地理学」もテーマの一つとなっており、作中では実際に「温巳」が地理学研究のフィールドワークで調達した食材や郷土料理をつかったおかずも数多く紹介されている。料理初心者の「温巳」が「お弁当作り」を通じて少しずつ覚えていく豆知識やおかずのレシピは手軽でどれもオススメ。研究者としては真面目だが人として少し残念な「温巳」の保護者としての奮闘ぶりも見ていてためになる(?)が、無口だが素直な美少女「久留里」が年齢を重ねて互いに成長していく姿も友達関係から丁寧に描いており、人と繋がることの大切さを「お弁当」と一緒に教えてくれるマンガ作品だ。
2007年にモーニングKCより連載。「ゲイ」である弁護士「筧史朗」とそのパートナー「矢吹賢二」の日常と「食生活」を描く作品。「筧」の「ゲイ」として時折直面する日常的な問題や「賢二」視点の日常、その周辺人物のエピソードなど、様々な人物の様々な事情と悲哀(?)を一話完結形式で描く。様々なキャラクターが登場するが、後半部分は事細かな調理シーンで構成され、料理のバリエーションも豊富。夕飯の参考としてはとても優秀な料理マンガ。テーマはあくまで「食生活」だが、「ゲイ」としての簡単ではない人間関係の悩みを、料理を通じて(気分的に)乗り切ったり、たまに新たな出会いを見つけたりするなど、ほのぼのする話も多い。ハンサムなのに「ゲイ」としてはモテない「筧」のたまに悩ましく、ほぼ「ケチくさい」倹約的な日々を、何があってもやめることはできない食生活と共に淡々と綴る、読んでいて癖になる作品だ。
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