
羽海野チカの代表作の一つ。美術大学を舞台に、美大生の竹本が教師の花本から親戚のはぐみを紹介されることから物語が始まる。人見知りが激しいはぐみに竹本は一目惚れし、先輩の森田も同様にはぐみに惹かれる。はぐみと森田が互いに惹かれ合い、天才同士の魂の結びつきのような関係を築く一方で、竹本のゼミ仲間の真山とあゆみの片思いの連鎖も描かれ、それぞれの人物が自分なりの答えを求める過程で変化していく人間関係が、本作の見どころとなっている。本作は、恋愛や友情、将来への不安といった青春期特有の要素を含みながら、芸術家としての才能や創作活動に対する葛藤も描いた青春漫画。美術大学という特殊な環境における芸術創作活動、アルバイト、下宿生活といった要素が物語に組み込まれ、現実的な大学生活の描写を基盤としながら、芸術への情熱や才能の格差、将来への不安が自然な形で描かれている。宝島社「CUTiE Comic」で2000年6月号から2011年7月号まで連載。ほかに、集英社「ヤングユー」で2001年11月号から2005年11月号まで、集英社「コーラス」で2006年2月号から9月号まで連載。2003年に第27回「講談社漫画賞」少女部門を獲得。テレビアニメ第1期が2005年4月から、第2期が2006年6月から放送。実写映画(劇場)が2006年7月に公開。テレビドラマが2008年1月から放送された。