中村光の代表作。現代の東京都立川市を舞台に、仏教の開祖であるブッダとキリスト教の教祖であるキリストが休暇を取り、共同生活を送る日常を描いた物語。二人は「聖」という名字で、安アパート「松田ハイツ」の一室をルームシェアしながら、現代日本の文化や風習に触れていく。ブッダの身体的特徴が珍しがられる場面や、イエスの奇跡が思わぬ形で発現する状況など、宗教的な背景と現代生活のギャップから生まれるコミカルな出来事が描かれる。本作は、宗教的な象徴やエピソードを現代的な解釈で再構成した宗教コメディで、神聖なイメージのある宗教上の人物がふつうの若者として描かれ、仏教とキリスト教の特性が対比される形で表現される。さらに、神道やギリシャ神話、北欧神話など、さまざまな神話体系が実在する多神教的な世界観が構築されている。講談社「月刊モーニング2」2006年1号から連載。その後、「モーニング・ツー」「月刊モーニングtwo」と誌名が変わっても引き続き連載し、紙媒体での刊行が終了したあとは、WEBサイト版「モーニングtwo」で配信。2008年に「このマンガがすごい!2009」オトコ編第1位、2009年に第13回「手塚治虫文化賞」短編賞を獲得。OVAがコミックス第8巻と第9巻の特装版付録として付属。劇場版アニメが2013年5月に公開。テレビドラマが2018年から放送。実写映画が2024年12月に公開された。