板垣恵介の代表作で、のちにシリーズ化される「グラップラー刃牙」シリーズ1作目。東京ドーム地下の秘密の闘技場を舞台に、13歳で地下闘技場チャンピオンとなった刃牙が、地上最強の生物と呼ばれる実父の勇次郎との対決に挑む物語。母親の死をきっかけに父親への復讐を誓う刃牙は、次々と現れる強豪たちとの死闘を重ねながら成長していく。物語は地下闘技場での戦いを描く「地下闘技場編」、刃牙の幼少期を描く「幼年編」、世界の強豪たちが集う「最大トーナメント編」の3部構成で展開される。本作は、実在の格闘技や武術をベースにした格闘漫画で、空手、柔道、ボクシング、中国拳法など、世界各国の格闘技が登場する。人体の筋肉や骨格を誇張して描き、人体の限界を超えた独自の戦闘描写が特徴。また、戦闘シーンでは解剖学的な描写に加え、第三者の視点から戦いを解説するインタビュー形式の演出が採用されている。地下闘技場では武器の使用以外はすべての戦闘行為が許可される特殊なルールが設定され、金銭や名誉ではなく、純粋な強さの追求が至上の目的とされる独自の価値観と秩序が構築されている。秋田書店「週刊少年チャンピオン」1991年43号から1999年29号まで連載。1994年8月にOVAが発売され、2001年1月からテレビアニメが放送。2000年10月にはゲーム化もされている。