加藤和恵の代表作。人間の住む「物質界(アッシャー)」と悪魔の住む「虚無界(ゲヘナ)」という二つの次元世界を舞台に、悪魔の王、サタンの息子である燐が祓魔師(エクソシスト)として成長していく物語。修道院で育った燐と双子の弟、雪男を中心に、悪魔と人間の対立構造が描かれる。サタンが燐を虚無界へ連れ去ろうとした際、養父である祓魔師の藤本が命を落とし、同時に燐は自らがサタンの血を引く存在であることを知るが、それでも祓魔師の道を歩むことを決意する。その後、燐は正十字学園の祓魔師養成コースに入学し、雪男や同級生たちと共に悪魔との戦いに身を投じていく。物語が進むにつれて、サタンが地球と融合した心臓を核として巨大な城塞を建造し、祓魔師たちがその内部攻略に挑む展開となる。本作は、悪魔祓いという宗教的要素にファンタジーの世界観を融合させたダークファンタジーと、バトル要素を組み合わせた少年漫画で、青い炎をサタンの力の視覚的表現として用いている。「正十字騎士団」という祓魔師組織が、バチカンを本拠地とする国際的な組織として描かれており、祓魔師は騎士・竜騎士・手騎士・詠唱騎士・医工騎士の五つの職種に分類されるなど、綿密な世界観が構築されている。集英社「ジャンプSQ.」で2009年5月号から連載。テレビアニメ第1期が2011年4月から放送され、その後も複数アニメ化。アニメ映画(劇場)が2012年12月に公開。PlayStationPortableのゲームが2012年4月に発売され、iOS、Android向けゲームアプリが2025年6月に配信された。