羽海野チカの代表作の一つ。棋士の先崎学が監修を務める。東京の下町を舞台に、高校生・桐山零がプロ棋士として活動する姿を描いている。幼い頃に事故で家族を失った零は、棋士・幸田柾近の家に引き取られ、中学生でプロ棋士となるものの孤独を抱えていた。そんな中、近所に住む川本三姉妹との出会いを通じて、零は次第に心を開いていく。同時に、ライバル・二海堂晴信との対局や、義姉の幸田香子を巡る因縁を持つ棋士・後藤政宗との対決が展開される。本作は、棋士たちの対局シーンと日常生活の描写が交互に展開される特徴を持ち、タイトル戦や昇級制度など、実在の将棋界の制度をもとにした設定が物語に組み込まれている。一方で、東京の下町という舞台設定が、人々の温かな交流を表現する重要な要素となっている。白泉社「ヤングアニマル」2007年14号から連載。2011年に第4回「マンガ大賞」大賞および第35回「講談社漫画賞」一般部門、2014年に第18回「手塚治虫文化賞」マンガ大賞、2021年に第24回「文化庁メディア芸術祭」マンガ部門大賞など、数々の賞を受賞。2016年10月からテレビアニメ版が放送され、2017年3月と4月に実写映画版が前後編で公開された。