椎名軽穂の代表作。北海道の高校を舞台に、孤立していた黒沼爽子とクラスの人気者、風早翔太を中心とする、高校生の青春を描いた物語。長い黒髪と白い肌から「貞子」というあだ名で恐れられていた爽子は、風早との出会いをきっかけにクラスメイトたちと友人関係を築き、自分自身を変えていく。当初は友人関係だった爽子と風早は、互いに恋心を抱くようになっていく中、胡桃沢からの妨害や誤解によるすれ違いなど、さまざまな障害に直面しながらも、協力して乗り越えていく。高校生活における友情と恋愛、進路選択といったテーマが盛り込まれた作品で、物語の進行と共に、あやねや千鶴といった爽子の友人の恋愛模様も描かれる。本作は学園ラブストーリーで、爽子の成長に伴う内面の変化が、次第に外見や言動に反映されていく表現技法が採用されている。また、四季折々の北海道の風景がキャラクターの心情表現と結びつけられており、特に冬の雪景色や春の桜といった自然環境がストーリーの重要な背景となっている。集英社「別冊マーガレット」で2006年1月号から2017年12月号まで連載。2008年に第32回「講談社漫画賞」少女部門を受賞。2009年10月から3期にわたりアニメ化。ほかに実写映画化、配信ドラマ化、ゲーム化など多数のメディアミックス展開がされている。