「こち亀」の愛称で知られる秋本治のデビュー作であり代表作。東京都葛飾区亀有を舞台に、巡査の両津と同僚たちの日常を描く物語。架空の亀有公園前派出所を中心に、上司の大原巡査部長や同僚の中川、秋本ら派出所メンバーが、両津の型破りな行動や突拍子もない発想が引き起こすトラブルに巻き込まれていく。本作は、ドタバタコメディ、パロディ、社会風刺といった要素を含んだギャグ漫画である。レトロな玩具やマニアックな趣味・知識を取り入れた描写が特徴的で、昭和から平成、令和へと時代が変わる中で、社会の変化を取り込みながら独自の「こち亀ワールド」が構築されている。集英社「週刊少年ジャンプ」1976年42号から2016年42号まで連載。2001年に第30回「日本漫画家協会賞」大賞、2005年に第50回「小学館漫画賞」審査委員特別賞を受賞。2017年には第21回「手塚治虫文化賞」特別賞、第48回「星雲賞」コミック部門を受賞した。テレビアニメをはじめ、劇場アニメやテレビドラマ、ゲームなど多数のメディアミックスが展開された。