概要・あらすじ
初芝電器産業と五洋電機を傘下に持つ初芝五洋ホールディングスの初代社長となった島耕作。急激な世界不況のあおりを受け、赤字に陥った会社の経営を立て直すために工場閉鎖・移転、リストラなどを断行する一方で、初芝五洋ホールディングス、初芝電器産業、五洋電機を統一させてTECOTとし、出発電池と中国にリチウム電池の合併会社を設立する。
しかしレアアースを巡り、韓国や中国が政府の協力をバックにしてビジネスを有利に進める現状を目の当たりにし、国際競争の中において日本式ビジネスの限界を感じるようになっていく。政治と経済が複雑に絡み合い、さまざまな陰謀にも遭遇、島耕作は会社経営だけでなく日本経済、政界へも影響を持つようになる。
そんな中で東日本大震災が発生、経営方針を転換し日芝との事業提携、ソラー電機とテレビの共同開発など、業界再編を視野に動き始める。しかし2期連続の大幅赤字に陥り、その責任をとって島耕作は社長を退任、会長になる。
登場人物・キャラクター
島 耕作 (しま こうさく) 主人公
キャラクター紹介『島耕作シリーズ』の主人公。1947年9月9日生まれ。1970年に大手電器メーカー初芝電器産業に入社した団塊世代のエリート。派閥争いに巻き込まれて左遷されることも多いがそれを糧に変える... 関連ページ:島 耕作
大町 久美子 (おおまち くみこ)
キャラクター紹介 初芝電器産業の創始者吉原初太郎の隠し子でTECOTの大株主。1967年8月8日生まれ。島耕作が課長時代から男女関係があり、互いに束縛されるのを嫌っていたが、子宮癌の発症を機に島耕作に... 関連ページ:大町 久美子
万亀 健太郎 (まんがめ けんたろう)
キャラクター紹介 初芝電器産業第6代社長。企画力があり、義理人情に厚く部下から慕われている。社長退任後も初芝電器産業に残ってトップ人事に幾度となく奔走、社長島耕作を誕生させるに至る。長年連れ添った愛人... 関連ページ:万亀 健太郎
勝浦 大喜 (かつうら だいき)
弱冠48歳で五洋電機社長に抜擢。大阪市大工学部卒。五洋電機に入社後、スタンフォード大学に留学して博士号を取得。帰国後、浜松のテレビ事業部で液晶テレビの開発に携わり「液晶は五洋」の地位を確立した。 初芝... 関連ページ:勝浦 大喜
国分 圭太郎 (こくぶん けいたろう)
島耕作が中国に赴任していた時代の部下。上海勤務が長く、中国語も堪能で、中国の社会事情に詳しいため島耕作から頼りにされる。剣道5段の腕前を持つ。栄楽のホステス笑蘭が愛人。 島耕作と国分圭太郎 島耕作の評... 関連ページ:国分 圭太郎
松橋 葉一 (まつはし よういち)
初芝電器産業専務取締役、技術フィールド担当。初芝電器産業の技術を担ってきた逸材。島耕作とともに郡山利郎による経営を補佐する。郡山利郎の辞任により初芝電器産業第10代社長に就任。 経営統合後のTECOT... 関連ページ:松橋 葉一
小栗 忠光 (おぐり ただみつ)
初芝電器産業取締役。郡山利郎の後を引き継ぎ、北京初芝産業董事長(会長)に就任。昼食は常に北京初芝産業本社や工場の社員食堂で従業員と一緒にとるなど、中国社会に溶け込むことに懸命で、中国語も語学学校に通っ... 関連ページ:小栗 忠光
郡山 利郎 (こおりやま としろう)
キャラクター紹介 初芝電器産業のアジア地区販売担当役員。56歳。韓国ソウルに滞在中に島耕作の訪問を受ける。故中沢喜一に心酔し、一匹狼的な立場で、同じような考えを持つ島耕作を気に入っていた。次期社長とし... 関連ページ:郡山 利郎
四谷 嵐子 (よつや らんこ)
初芝電器産業取締役。48歳、独身。勝木清春の親戚筋で次期社長の座を巡る派閥争いに巻き込まれるが、自身は興味ない。 島耕作と四谷嵐子 島耕作を慕っているが相手にされない。 経歴 東京大学法学部卒、通産省... 関連ページ:四谷 嵐子
南村 彩 (みなみむら あや)
TECOT社長島耕作の専属秘書。38歳。平成4年初芝電器産業入社、平成8年初芝電器貿易に出向。3年前に本社国際部に戻る。スペイン語が堪能。実家は銀座にある創業200年の老舗和菓子店うまや。見かけによらず細かいところに気が回る。 島耕作とブラジルに向かう機内でレアル・サントス所属の超人気サッカー選手バチスタ・ベスパと知り合い結婚。TECOTを退職し、バチスタ・ベスパの個人事務所の社長としてマネージングを務める。
多田 さおり (ただ さおり)
TECOT社長島耕作の秘書の1人。五洋電機会長植村の元秘書。36歳。特技はジジ転がし。航空会社キャビンアテンダントの経験があり、英語、フランス語が堪能。大学時代は体育会系のゴルフ部に所属しハンディキャップ10。島耕作に不意打ちでキスをするなど行動は大胆。
神奈川 恵子 (かながわ けいこ)
TECOT社長島耕作の秘書の1人。26歳。初芝五洋ホールディングス発足時に新規採用された新人秘書。東京都出身、実家は佃の老舗佃煮屋。外務省勤務の経験がありロシア語が堪能。特技は歌って踊ること。空手も得意。白鳥冬彦の妻白鳥美鈴とケンカの末に仲良くなる。
白鳥 冬彦 (しらとりふゆひこ)
TECOT秘書室長。南村彩多田さおり神奈川恵子の少々頼りない上司で、元女子プロレスラーの妻白鳥美鈴の尻に敷かれる恐妻家。
謝 萌縁 (しゃ ぼうえん)
島耕作の中国での秘書。河南省出身、兄と姉の三人兄妹。慶應大学に2年間留学。仕事に忠実で島耕作をサポートしつつ、中国人としての誇りも持っている。爺フェチで万亀健太郎に猛烈にアタックし愛人となったり、涂紫... 関連ページ:謝 萌縁
孫 鋭 (そん えい)
中国で三本の指に入る大手家電メーカー出発集団のCEO(経営最高責任者)。初芝電器産業の創始者吉原初太郎の著書で経営哲学を学ぶ。北京にやってきた馬島典子にひと目ぼれし猛烈にアタックする。初めは一般的な労... 関連ページ:孫 鋭
木暮 久作 (こぐれ きゅうさく)
あかつか探偵事務所の探偵で七瀬五郎の相棒の男性。仲間からグレさんと呼ばれている。元プロのギャンブラーの肩書を持つ。小太りな体型と短いあごひげが特徴。鋭い洞察力で七瀬五郎をサポートするが、オカルト的なこ... 関連ページ:木暮 久作
加治 一明 (かじ かずあき)
父は元総理大臣の加治隆介。鹿児島県選出の民自党衆議院議員。尖閣諸島の領有権を巡って起こった外交問題で島耕作に協力を持ちかけて解決にこぎ着け、以降は島耕作と交友を深め、政治的な局面で協力するようになる。2013年の解散総選挙では東京3区から立候補して1位当選。 山野辺新内閣で防衛副大臣に就任する。
曽 烈生 (そ れつせい)
出発集団の董事で、社内の順位的にはナンバー10にも入らないが、実質的にはナンバー2か3と言われている。出発集団から孫鋭を追い出そうと画策、裏社会にも通じ上海を支配しようと企むが、島耕作や孫鋭に見抜かれ... 関連ページ:曽 烈生
イ・カプス
ソムサンUSA会長からソムサンホールディングス会長に就任。大阪生まれで13歳まで日本に居住し、1958年にアメリカへ移住、ベトナム戦争に従軍する。韓国語はもちろん、英語、日本語も堪能。従兄弟が新宿コリアン街で韓国料理店オモニ家を経営、そこの料理人金正植が小学校時代、同級生だった島耕作に助けられたという話を聞き、島耕作を人間として尊敬する。 しかし在日韓国人として蔑まされた過去から日本を嫌い、初芝電器産業に強いライバル心を抱いている。韓国大統領など韓国政界とも太いパイプを持つ。
楠本 達彦 (くすもと たつひこ)
初芝電器産業の元副社長で派閥争いに敗れ、子会社である初芝電子部品の社長に就任、赤字から立て直す。初芝電子部品社内での人望も厚い。業績の好調に伴い工場拡張のために資金調達を初芝電器産業に申し入れたが拒否される。島耕作の説得を振り切り、自社経営陣によるMBOで初芝電器産業からの独立に踏み切る。
八木 尊 (やぎ たかし)
島耕作が初芝電器産業営業本部販売助成部総合宣伝課課長時代の部下で、37歳の既婚者。人事ファイルによれば「英・仏・スペイン語・イタリア語に精通、海外事業所に10年勤務、海外業務のスペシャリスト。初芝社長... 関連ページ:八木 尊
宇津賀 一男 (うつが かずお)
TECOT副社長。元五洋電機副社長。当初は島耕作の元で忠実な働きをしていたが、自らの派閥を作り島耕作を社長の座から下ろそうとクーデターを画策し、失敗に終わる。45年のワインシャトーシュヴァルブランを飲んだ後、赤城山山中で車ごと崖から転落して死亡。
膳所 雄之介 (ぜぜ ゆうのすけ)
1954年に初芝電器産業の傘下となったフロンティア音響の会長。フロンティア音響は4期連続の赤字に陥り、島耕作によって初芝五洋ホールディングスから離れ、トーヨー電業が買収。会長を退任し個人資産約50億をすべてフロンティア音響に提供し、京都市内の借家住まいとなる。
高桑 みどり (たかくわ みどり)
24歳。島耕作が取締役時代に下請けだった水沢電子工業と契約を解除、そのショックから水沢修三社長は交通事故死する。そのときに16歳だった娘。上海の復旦大学卒業後、ワールドエコノミー社に入社して3年目の記者。初めは島耕作を恨み、失脚させるための情報を探っている中で、TECOT社内クーデターの計画を知る。 島耕作を調べる内にその人間性に魅せられ、社内クーデターの情報を島耕作に与えた。
集団・組織
初芝電器産業 (はつしばでんきさんぎょう)
『島耕作シリーズ』に登場する架空の企業。島耕作が勤めている日本最大手の電器メーカーで、カリスマ経営者吉原初太郎が町工場から育て上げた。初代社長吉原初太郎、第2代社長木野穣、第3代社長苫米地功、第4代社... 関連ページ:初芝電器産業
初芝五洋ホールディングス (はつしばごようほーるでぃんぐす)
ソムサン電子からM&Aを仕掛けられた五洋電機のホワイトナイトとなった初芝電器産業がTOB(公開買い付け)を成立させ、初芝電器産業、五洋電機が統合したことで誕生した持ち株会社で、両社の株式を100%保有... 関連ページ:初芝五洋ホールディングス
初芝電器産業 (はつしばでんきさんぎょう)
『島耕作シリーズ』に登場する架空の企業。島耕作が勤めている日本最大手の電器メーカーで、カリスマ経営者吉原初太郎が町工場から育て上げた。初代社長吉原初太郎、第2代社長木野穣、第3代社長苫米地功、第4代社... 関連ページ:初芝電器産業
五洋電機 (ごようでんき)
『島耕作シリーズ』に登場する企業。「液晶は五洋」の地位を確立した勝浦大喜が弱冠48歳で社長に就任。日本国内で液晶のシェアは50%を越え、6000億円の売り上げに達している。 歴史・沿革 得意とする液晶... 関連ページ:五洋電機
ソムサン電子 (そむさんでんし)
『島耕作シリーズ』に登場する企業。島耕作がライバルと明言する韓国メーカー。社長(COO)はイ・カプス。総合電機メーカーの時価総額で世界トップ、売上高はドイツのシーメンスに次いで900億ドルの世界2位、... 関連ページ:ソムサン電子
出発集団 (ちゅーふぁー)
『島耕作シリーズ』に登場する企業。中国で三本の指に入る大手家電メーカー。初芝電器産業とは業務提携している。CEO(経営最高責任者)は孫鋭。孫鋭の理念で引き抜きを行わず、生え抜きの社員を揃える。 歴史・... 関連ページ:出発集団
社長会 (しゃちょうかい)
『エピソード6 社長島耕作』に登場するグループ。TECOT島耕作社長が意思決定をスピーディーにするため、それまでの経営会議に代わって組織。メンバーは島耕作のほか、勝浦大喜小栗忠光松橋葉一国分圭太郎の5人。
日芝 (にちしば)
『エピソード6 社長島耕作』に登場する企業。原子力発電所建設を数多く手掛ける電機メーカー。TECOTと業務提携し、家電部門をTECOTに移行、TECOTの原子力事業部門を受け取る。社長は境田奈津夫。境田奈津夫は出発集団CEO孫鋭が学生時代に日本人との間にもうけた娘中嶋かほりと結婚。
関連
島耕作シリーズ (しまこうさくしりーず)
大手電機メーカー初芝電器産業に務める島耕作が課長から社長へと昇進して活躍する約30年間を描いた弘兼憲史の代表的シリーズ作品。初期はサラリーマンの悲哀、オフィスラブを中心にした物語だったが、出世するにつ... 関連ページ:島耕作シリーズ
書誌情報
社長 島耕作 10巻 講談社〈講談社漫画文庫〉
第1巻
(2015-11-12発行、 978-4063850154)
第2巻
(2015-11-12発行、 978-4063850161)
第3巻
(2015-11-12発行、 978-4063850178)
第4巻
(2015-12-11発行、 978-4063850185)
第5巻
(2015-12-11発行、 978-4063850192)
第6巻
(2016-01-08発行、 978-4063850208)
第7巻
(2016-01-08発行、 978-4063850215)
第8巻
(2016-02-10発行、 978-4063850222)
第9巻
(2016-02-10発行、 978-4063850239)
第10巻
(2016-03-11発行、 978-4063850246)